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新型コロナ発生年分確定申告の検討ポイント

記事作成日2020/11/17 最終更新日2020/11/17

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 収入の悪化が見込まれる場合、「措置法26 条」の適用をご検討、そして、赤字となってしまった場合には、昨年の所得税還付、又は損失の繰越しを比較検討ください。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の発生に伴う患者の受診控え、感染対策など、これまでにない対応が求められたことと思います。クリニックの経営に大きな影響があった1年でしたが、確定申告ではこのような状況だからこそ、利用できる制度があります。

措置法26条の適用を検討

 措置法26条は保険診療収入が年5,000万円以下・医業収入が年7,000 万円以下の場合に、実額経費と概算経費のどちらか有利な方を選択できる医師・歯科医師のみに認められる制度になります。平時では金額要件を満たさなかったクリニックも、今年の状況によっては要件を満たす場合もあります。

所得税の還付と、損失の繰越しを比較

 計算の結果、赤字となってしまった場合に利用できる制度のうち、次のいずれを選ぶか検討を行います。

純損失の繰戻し還付

 昨年所得税を納税し、今年赤字になった場合に、昨年の所得税の還付を受けることができる制度です。実際にお金が還付されるため、資金繰りの面でメリットがあります。一方で、繰戻還付請求は調査により還付することとされている点、還付を受けられるのは所得税に限られ、復興特別所得税や住民税は対象とならない点にご注意ください。

純損失の繰越控除

 今年赤字になった場合に、3 年間を限度にその赤字を繰越し、将来の黒字と相殺することができる制度になります。この制度は、所得税だけでなく、住民税も対象となりますが、繰り越せる年数に限りがあるため、3 年を超えて使いきれなかった繰越額は利用できなくなります。また、上記の繰戻し還付のように、調査が前提となっている制度ではありませんが、繰越欠損金を使用する年度において調査が行われる場合があります。

 医師の確定申告は特有の制度もあり、日常から医療機関を専門的に担当している税理士へのご相談をおすすめします。

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