【概要】
先日、厚生労働省が2016年3月末時点の医療法人の年次推移を公表しました。2016年3月末時点の総数は5万1,958法人となりました。このうち「持分あり医療法人」は前年比426法人減の4万601法人で、「持分なし医療法人」が同1,523法人増の1万976法人で、はじめて1万法人を超えました。
持分なし医療法人が最も多いのは東京都の1,704法人で、次いで大阪府が911法人、神奈川県が898法人、埼玉県が596法人でした。今回は、この「持分なし医療法人」の主なメリット・デメリットをお伝えします。
【持分なし医療法人とは】
持分なし医療法人とは、
① 出資者が退社する際に出資割合に応じて法人資産の払戻しを請求できない医療法人
② 解散時に残余財産の分配を受けることができない医療法人
を言います。出資持分がないため、『持分なし医療法人』と呼ばれています。
【持分なし医療法人のメリット】
① 払戻しを請求できなかったり、残余財産の分配を受け取ることができなかったりすることにより、資産流出リスクを抑え医業を安定的に継続することができます。
② 持分なしのため、財産評価の必要性はなく相続税課税はありません。
③ 2014年10月から3年間、税制優遇措置や低利の融資を受けられる移行促進策があります。
【持分なし医療法人のデメリット】
① 医療法人を解散した場合の残余財産は国等に帰属します。
② 剰余金の配当等の禁止により、法人内に留保された金額の払戻しができません。
医療法人化や持分なし医療法人への移行は、事前のシミュレーションが必要です。さらに詳しく知りたい方は、TOMAヘルスケア事業部にご連絡ください。