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「生命保険契約照会制度」が始まりました

記事作成日2021/09/02 最終更新日2021/11/10

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ご家族の死亡や認知判断能力の低下により、生命保険契約の手がかりがなく保険請求にお困りのケースはありませんか? どのような保険に加入しているのか、どこの保険会社に契約があるのか把握するためには、従来各保険会社に個別照会を行う必要がありましたが、2021年7月より「生命保険契約照会制度」を利用することで、契約有無について一括確認が可能になりました。

照会制度でできること

生命保険協会の本制度を利用することで、照会対象者の契約を一括で確認することができます。生命保険協会には、日本で営業するすべての生命保険会社が加盟しているため、照会者からの情報をもとに契約の調査が可能です。あくまで契約の有無の調査のみで、契約内容の詳細確認や保険金の請求代行は行っておりません。

照会対象契約

・契約者、被保険者が亡くなった場合
・契約者、被保険者の認知機能が低下している場合
・災害等により、契約に関する書面を失い保険金等の請求が困難な場合 等

利用手順

①手がかりになるものを探す

まずは身の回りの書類で判断できるものがないか確認しましょう。
・保険証券を探す
・保険会社から定期的に送付される書面を探す
・預金通帳の口座振替履歴を確認する

②調べてもわからない場合

生命保険協会に照会を行ってください。インターネットや郵送による照会が可能ですが、利用料は1照会3,000円です。生命保険協会所定の診断書や申請書類の提出が必要になり、その他、公的書類や診断書の取得費用が発生します。照会時の申請書類等の詳細は生命保険協会のホームページをご確認ください。
※契約の有無のみ調査可能であり、契約内容の詳細確認や保険金の請求代行はできません。

③照会の結果、保険会社に契約があった場合

契約内容の確認や保険金の請求については、各保険会社のコールセンター等へ直接連絡が必要です。なお、保険の契約内容によっては請求権者からの連絡でないと受け付けない場合がありますのでご注意ください。

本制度は2011年の東日本大震災をきっかけに設立され、災害時に限られた制度でしたが今年から利用範囲が拡大されました。高齢化が加速し、認知症患者が増加するなかで、保険金の請求手続きや支払いを確実にすること、また保険契約の適正な継続を目的としています。

保険金の請求権は一般的に3年と定められています。過去の請求漏れがないか確認するとともに、万が一のことが発生した場合に備えて、保険契約を把握しておきましょう。TOМAグループでは顧問先様向けに保険ファイル作成と整理整頓サービスを行っております。契約の有無がわからなくなってしまう前に、契約内容や受取人など定期的に確認しましょう。

ご参考:生命保険協会ホームページ

ご不明な点があれば、下記よりお気軽にご相談ください。