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税務調査はどこまで調べる?個人情報の提示範囲とは

記事作成日2018/08/31 最終更新日2023/04/18

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税務調査はどこまで調べる?個人情報の提示範囲とは

自社に税務調査が入ることになった場合、調査官の要求にどこまで応えるべきなのか疑問を抱いていませんか?

法人といえども、社長や経理担当者には個人情報が存在します。プライバシーの観点から、はたして調査の一部を断ってもよいのでしょうか?

こちらでは、税務調査の調査範囲と個人情報の提示範囲や税務調査に備えるための対策方法について解説します。

税務調査の調査範囲は(事務所だけ?工場や店舗は?)

税務調査では、書類の保管先である事務所が基本的な調査範囲となります。いわゆる「帳簿調査」を行い、情報が足りなければ必要に応じて現場を確認します。

「現場確認調査」では、事務所の金庫や机のほかに、倉庫などもくまなくチェックされるでしょう。また製造業では工場、小売業では店舗が現場扱いとなります。<時には、現場にいる従業員に業務内容の聴き取りを行います。

さらに、事前の連絡を行わない抜き打ちの「現況調査 」もあり、現金商売をする飲食業やサービス業では注意が必要です。ほかにも、事実確認のために銀行や取引先にまで調査が及ぶこともあるでしょう。帳簿調査だけでは申告内容が正しいのか判断できない場合に、税務調査が広範囲にわたります。

税務調査はどこまで(個人の通帳・パソコン中身など)調査をするのか

税務調査の基本は、売上や経費などの計上で根拠になる資料全般 を調べることです。帳簿・金庫以外にも、パソコンや通帳、お店では予約帳まで開示を求められます。

パソコン

現場確認調査の際に、社長や経理担当者のパソコンにも調査が入る可能性があります。パソコンについては、ゴミ箱の中身まで細かくチェックされるでしょう。最近では、WordやExcelの作成日付や更新日付をチェックされる場合もあります。

とはいえ、調査官が直接パソコンを調べるのではなく、パソコンの所持者が実際に操作を行います 。現場確認は任意のため、調査を拒否することは可能です。

しかし、むやみに調査を拒否すると「見せられないものがある」と思われて、疑義が生じる場合もあります。できるかぎり調査に協力して、身の潔白を示したほうがよいでしょう。

通帳

通帳に関しても「帳簿以外の預金把握のために必要だ」と判断されれば、法人名義のほかに代表者や関係者の個人口座も調査対象になります。なぜ個人口座まで確認されるのかというと、役員や家族が名義人になりすまして不正取引を行っているケースが存在するからです。

もし個人の通帳に多額の入金履歴があれば、銀行の窓口でのやり取りやATMの防犯カメラにまで調査の範囲が広がります。通帳は必ずしも税務署に見られるわけではありませんが、場合によっては、銀行等に通帳を請求されて確認されることがあります。

予約帳

飲食店の予約帳は、予約管理のためにあるものです。金庫や通帳とは異なり、売上の計上根拠に直接関係するのかは定かではありません。

一方で調査官は、現場にある物をすべて確認し、差異がある箇所を否認指摘する立場となります。調査官からの提示要請に対して全て対応すると、売上の計上に漏れがなくても、資料上で差異が出てしまいます。

売上に結びついていない書類に関しては、言われるがままに見せなくても問題ありません。判断に迷う場合は、顧問税理士に相談することが望ましいです。

プライバシーの権利は保証されないのか

個人情報保護法第16条では、「個人情報を取り扱う業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない」と規定されています。しかし、この規定は法令に基づく場合だと適用されません。

税務職員は、法令に基づいた「質問検査権」を持っており、個人情報の例外規定に該当したうえで税務調査を行います。質問検査権とは、帳簿や書類について確認したり質問したりできる権利のことです。また質問検査権の適用範囲は、調査対象者だけではなく、銀行や取引先にも及びます。

とはいえ、質問検査権は「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という目的のために利用されるものです。調査官には守秘義務も課されているので 、社長や経理担当者のプライバシーを尊重しながら調査を進めていきます。よって、納税者側も調査官を信頼して、質問検査権の行使に応える姿勢が求められます。

税務調査の準備は何をすればいいのか?

調査官は国税庁という大きな組織から業務を任されており、法令に基づいて税務調査に従事します。そのため、帳簿の確認だけでは不十分だと判断された場合に、調査範囲をどんどん広げていくことが可能です。

同様に個人情報の提示も、申告内容の不備が多ければ範囲が広がってきます。個人のプライバシーの権利を主張したいところではありますが、調査に協力したほうが賢明なケースが多いのも現状です。

ただし、現場のあらゆる物が調査対象ではありません。売上に結びついていない書類まで調査官に提出しないように注意してください。

税務調査についてより詳しく知りたい方は基礎知識や事前にしておくべき準備等についてまとめた以下記事も併せてご参照ください。

>>法人の税務調査で知っておきたい基礎知識

もし判断に迷うのであれば、税務調査対応のプロである顧問税理士等に相談してみることも大切です。
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