BLOG

専門家によるブログ

税務・会計ブログ

税務調査における修正申告とは

記事作成日2018/08/31 最終更新日2020/10/09

X
facebook
copy

税務調査では、「修正申告」を行うケースがとても多いとされています 。今回は修正申告の基礎知識をお伝えしながら、似たような意味である「更正の請求」との違いもご紹介します。
申告のタイミングによっては節税にもつながるため、ぜひポイントを押さえていきましょう。

税務調査後の指摘事項として修正申告と更生の請求の2種類があります。

税務調査後の修正申告とは

税務調査により修正事項が生じた場合には、会社は修正申告をしなければなりません。
修正申告とは、調査員の指摘に納得したうえで、納税者(法人)が誤りを認めて自主的に提出することです。

また、修正申告を行うのは税務調査時だけではなく、確定申告を行った後に税額計算を誤り納税額が少ない場合や確定申告書に記載漏れがあった場合などです。

ただし、税務調査によって、一度でも修正申告書を提出してしまうと、修正事項を認めたことになるため不服申し立てをする権利がなくなります。

税務署もしくは国税不服審判所に訴えられなくなるため、指摘事項についてはしっかりと納得してから、税務調査後に修正申告を行いましょう。

更生の請求とは?

更生の請求とは、税金を払いすぎたことに申告期限が過ぎてから気づいた場合に行なう申告です。申告した税額が本来よりも多い、還付される税額の申告が本来より少ないという要件に当てはまる場合は、更生の請求ができます。

修正申告と更正の違い

会社は修正申告のほかに、「更正の請求」という手段も利用できます。更正とは、修正申告書を提出しないことで税務署長から納税額を決定されることです。

修正申告と更正の違いは、「課税処理の間違いを認めたかどうか」ということです。指摘事項に納得できるのであれば、修正申告を提出して税金を納めます。もし納得できなければ更正の請求を行い、申告すべき税額を税務署に再度計算してもらいましょう。

とはいえ、更正はかなり時間のかかる手続きのため、調査員のほうから自主的な修正申告を推奨されるのが現状です。税務署が更正を行う際には、法令にもとづいて否認根拠を明確にしなければなりません。そうなると、税務調査時の調査員とは別の調査員が、更正の請求を行った会社に再調査を行う必要があります。通常の税務調査に加えて新たな事務処理が増え、金額にかかわらず税務署長の決裁が不可欠です。

修正申告と更正では、支払うべき税金に差が生じるわけではありません。どちらが有利になるのかではなく、調査員の指摘事項に納得できるのかを判断基準としましょう。

調査前の修正申告で税務リスクの削減

実は、税務調査が入る前からでも修正申告を行うことができます。むしろ事前の準備に時間が割けるのであれば、調査の前に修正申告をしたほうがよいでしょう。なぜならば、延滞税や過少申告加算税、重加算税といったリスクを減らせるからです。

◇延滞税

延滞税は、税務調査で指摘事項が見つかった際に発生しやすい税金とされています。税務調査後に納税すると、本来の納付期限を過ぎてしまうこともあり期間分の利息がかかります。

◇過少申告加算税

過少申告加算税とは文字通り、申告した金額が少ないと判明したときに支払うべき税金です。税率は基本10%であり、50万円を超えた部分は15%かかります。

◇重加算税

税務調査後の課税で特に税率が高いのは、重加算税です。重加算税は、過少申告加算税に代えて課す場合は税率35%であり、事前の修正申告により何としてでも回避したい項目といえます。

以下は、重加算税がかかる場合の例です。

■売上を故意に減らしている
■架空の経費を計上している
■偽装とみなされる領収書がある
■存在しない仕入れ先や取引先がある
つまり、脱税と判断されてしまうと重加算税が発生します。

税務調査前の修正申告をきちんと行えば、結果的に節税につながるのも魅力です。たとえば、上記のほかに過少申告加算税(基本課税10%)や無申告加算税(基本課税15%)が税務調査後に発生することがあります。

しかしこれらの課税では、税務署から調査を受ける前に修正申告を行うことで軽減させることができます。税務調査前の修正申告は何かとメリットが多いので、ぜひ心がけておきましょう。

◇その他の付帯税

その他にも税務調査後に発生する可能性がある無申告加算税、不納付加算税があります。

税務調査をスムーズに乗り切るために

税金の計算に誤りがあった場合には、「修正申告」もしくは「更正の請求」を行わなければなりません。多くのケースでは、税務調査の前後に修正申告をすることで解決できます。

調査員の指摘事項にどうしても納得がいかない場合に、更正の請求を行いましょう。更正の請求は法定申告期限から5年以内 ですが、5年経過した後でも「事実が生じた日の翌日から2カ月以内」であれば可能です。

税務調査の情報収集の方法

税務調査は日々の記帳をしっかり行うなど、準備を行うことが重要です。国税局OBが在籍しているTOMAコンサルタンツグループだからこそできる、最新の税務調査事情と対応の秘策に関するセミナーを実施しています。ぜひご参加ください。

>>税務・会計の最新WEBセミナーはコチラから

税務調査をトータルサポート

税務調査を乗り切るためには、日ごろから修正事項が無いように適切な処理・管理をしていくことが必要です。もし社内に税務に詳しい人がいない場合は、税理士の力を借りることをおすすめします。

TOMAコンサルタンツグループでは、豊富な立ち合い実績から得られたノウハウを基に、修正申告を求められた際の相談対応から税務調査に向けた対策支援、税務調査時の立会いなどトータルサポートしています。

現状の税務リスクを洗い出し、日ごろから適切な処理方法をアドバイスいたします。事前打ち合わせから当日の立ち会い、調査後の税務署との折衝まですべてお任せください。

初めての方 閉じる