会計監査人監査が義務付けられる会社
上場していなくても資本金や負債の額が大きいと公認会計士監査を受けなければならないの? とのご質問をよくいただきます。そこで今回は会社法が定めている公認会計士監査(会計監査人監査)が義務付けられている会社についてご説明します。
会社法において、会計監査人監査が義務付けられる会社は以下の2つとされています。
●大会社(会社法第329 条)
●監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社(会社法第327 条第5 項) |
なお、会計監査人監査が義務付けられていなくても、任意に会計監査人を設置することもできます(会社法第326条第2項)。
大会社とは
ここでいう大会社とは、次のいずれかに該当する株式会社のことをいいます(会社法第2条第6号)。
●最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5 億円以上である株式会社
●最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200 億円以上である株式会社 |
この「最終事業年度に係る貸借対照表」とは、定時株主総会で承認または報告された貸借対照表のことをいいますが、例えば3月決算法人の株式会社であれば、以下のような状態にある会社が大会社に該当することとなり、会計監査人監査が必要となります。
●2020年3月末の貸借対照表の資本金が5億円以上の会社(負債は200億円未満) →2021年の定時株主総会で決算書等が承認等された時点で大会社となり、2021年3月期より会計監査人監査が必要 ●2020年3月末の貸借対照表の負債の部の合計額が200億円以上の会社(資本金は5億円未満) |
会計監査人の選任について
会計監査人は公認会計士または監査法人でなければならず(会社法第337条第1項)、株主総会の普通決議で選任されることになります(会社法第329条第1項)。
会計監査人の選任にあたっては、定款に会計監査人を設置している旨の記載も必要となりますので、選任の際は定款変更決議と合わせて決議しなければなりません。ご注意ください。