国税当局は新型コロナウイルス感染症の影響により申告期限の延長や納税の猶予の特例制度などの策を講じています。7月からは新たな事務年度の始まりになり、通常毎年6月には次年度に重点的に取り組む重要課題等の調査方針が決定されます。現時点での方針としては下記に示すように、納税者及び新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮した形での調査が行われていくことになりそうです。
目次
納税者の同意を得て調査を実施
現在の調査では納税者から口頭などで明確に調査の同意が得られた場合に調査を実施するなど納税者の状況を十分に考慮して対応。
緊急事態宣言が解除された後でも、申告期限の延長を受けている場合や納税の猶予の特例を受けている状況にあるような場合には税務調査の実施に関して考慮されると考えられます。
テレワーク時には出社日に合わせた日程相談が可能
法人の経理担当者等がテレワークを行っている場合、その場合であっても必要があれば税務調査自体は実施されると考えられます。しかし、税務調査の対応のためだけに出社を求めることは想定されておらず、出社予定日と立ち会う税理士がいればその予定も踏まえ日程の調整をしていくことになると思われます。テレワークにより調査時に用意する書類の準備にも時間がかかることが想定されますのでそれらも考慮して調査日程を相談するようにすると良いでしょう。
オンライン税務調査の壁はまだ高く、従来通り対面での調査
調査官とオンラインでやり取りを行い調査を進めていくオンライン税務調査は今後の調査方法のひとつとして検討される可能性が考えられますが、現時点では情報セキュリティの観点からすぐに導入されることは考えにくく、感染拡大防止策を取った上で従来通りの税務調査が行われると考えられます。
緊急事態宣言が発せられ、また、外出自粛が要請されていた時期であっても税務調査自体がなくなるわけではありません。(新規での調査は行われなかったようですが。)
新規の税務調査がいつ再開されるかの具体的な日にちは明らかにされていませんが、早ければ異動のタイミングである7月から再開されることも考えられます。
例年では6月中に事前連絡を受け、7月の事務年度開始後から年末にかけての約6か月間について調査が活発になる時期となります。ただし、再開されたからと言って直ちに以前までに行われていた調査件数になることは考えにくいと思われます。まずは以下のような法人から調査が来る可能性があります。対応できるよう備えておけると良いかと思います。
・12月決算前後の法人
・コロナウイルスの影響をあまり受けていない法人
12月決算前後というのはその税務申告が2月前後に行われる法人です。絶対的なものではありませんが、2月頃に提出された申告書を処理し精査し調査対象とするまでには間に個人の確定申告時期もありそれなりの日数がかかると考えられます。
逆に3月決算5月申告(今年は納期限を延長されている法人も多くいらっしゃるかもしれませんが)の法人の申告書の処理にはまだ時間を要すると考えられるため、まずは12月あたりが決算期の法人は準備をしておくと良いかもしれません。
また、例えば飲食業などは新型コロナウイルスの影響を強く受けていらっしゃるかと思います。そのような中で税務調査が行われるということは考えにくいです。よっぽどのことがない限り今期の税務調査の対象からは外されるのではないかと考えられます。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて逆に利益が増加した法人もあるかもしれません。それが決算書にて把握できるようになった際は調査対象に上がる可能性が通常より高くなることも考えられます。そのような法人は調査が来ても対応できるよう今のうちに備えておく必要があるといえるでしょう。
税務調査は事前準備が重要
税務調査で一番重要となるのが事前準備となります。自社の税務リスクとその対策について前もって確認しておくことが重要です。
TOMAでは、国税OBを含む税務の専門家が貴社の現状を調査し、会社内部に潜む税務リスクを見つけ対策をご提案させていただく模擬税務調査1日診断も承っております。ぜひお気軽にご相談ください。
業種別に税務調査の論点を紹介!
業種別に税務調査の論点をまとめた以下資料をご活用ください。
<税務調査1日診断(模擬税務調査)チラシ>
>小売業 >製造業 >建設業 >タレント業・芸能関係業
>非営利法人
「税務リスク分析サービス」のご案内
TOMAコンサルタンツグループでは決算申告書から決算に潜むリスクを洗い出す「税務リスク分析サービス」をご提供しております。興味のある方は以下資料をご確認ください。
その他の税務調査関連ブログ
税務調査について、詳しくお知りになりたい方は以下記事も併せてご参照ください。
税務調査対策~入られやすい会社・入られにくい会社~
税務調査を税理士立ち会いのもとですべき理由
税務調査で指摘されやすい指摘事項5選
税務調査の情報収集の方法
経験豊富な国税局OBと共に、税務調査対応のお手伝いをさせて頂きます。
税務調査はしっかりとした準備を行うことが重要です。 国税局OBが9名在籍しているTOMAコンサルタンツグループだからこそ話ができる事例や最新の税務調査事情・対応の秘策に関するセミナーを実施しています。
>>税務・会計・監査セミナーはこちら
TOMA税理士法人では税務調査のご相談を承っています
・税務調査に対して不安がある
・模擬税務調査を受けてみたい 等々、税務調査に対するご相談はTOMA税理士法人まで。
実際の税務調査が入る前に、現状における会社の税務リスクを徹底的に洗い出す「模擬税務調査サービス」を始めとした税務調査に関するサービスを提供しています。