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不正はなぜ起きるか (不正のトライアングル)

記事作成日2019/09/09 最終更新日2019/09/09

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不正・不祥事の報道・ニュースは後を絶ちません。上場企業に限らず、中堅・中小企業・特殊法人も例外ではありません。そもそも不正はなぜ起きるのでしょうか。不正には、不正トライアングルと呼ばれる3つの不正リスクが存在しているといわれています。

不正を行う「動機・プレッシャー」

不正を行うには相応の動機、もしくは不正に至ってしまう心理的なプレッシャーがあります。お金に困っているといった個人的な事情・動機から会社(法人)のお金に手を出してしまう(横領)ケースや、会社の掲げる売上目標や利益目標が厳しく、それをプレッシャーに感じて架空売上等の不正経理に手を染めてしまうといったケースです。売上目標や利益目標については、それを達成することで高額な給与やインセンティブボーナスが約束されている場合も、横領や不正経理につながる動機になる可能性もあります。

不正を行うことができる「機会」

不正を行おうとすればいつでもできるような職場環境が存在する、逆に言えば不正がチェックされ未然に防げる仕組みが整っていない、もしくは脆弱であるということです。たとえば売上受注に対する審査体制が存在せず、営業部門が形式だけ整えた書類を作成するだけで受発注が行われ、実態のない売上計上が容易にできてしまうような環境です。
このような不正を防止する管理体制を磐石なものにするには審査機能を有する部署を設置する、あるいは職務を分担してダブルチェックができるようにする等の対応が考えられます。いずれも相応の人員が必要であり、慢性的な人手不足が生じている中堅・中小企業では難しいのではないかと思います。

不正を行うことの「正当化」

不正を思いとどまらせるような意識・倫理観といった姿勢の問題です。「動機・プレッシャー」の例で挙げた売上目標や利益目標が厳しいケースでは、それが不正に至ってしまう正当性を与えるかもしれません。また、「不正を行うことができる機会」があれば、不正を行っても発覚することはないだろうという想いに至ることも考えられます。さらには不正をすることで会社(法人)にどのような影響・損害を与えることになるのかという意識が従業員に欠如している場合も、当人の中で不正が正当化されてしまう場合があります。
不正防止には、不正の要因を十分に把握した上で対策を講ずる必要があります。


お問合せ・ご相談:TOMA公認会計士共同事務所