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M&Aによるシナジー効果の評価方法

記事作成日2017/10/11 最終更新日2022/04/18

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シナジー効果とは?

シナジー(synergy)とは「相乗」効果という意味です。具体的に言えば、M&A や経営多角化戦略を採ったときに、単に利益の合計だけでなく、経営資源の有効活用や別々の事業の組み合わせにより、より大きな付加価値を生み出すことを言います。

シナジー効果の評価方法

今回は、その具体的な方法として、購買プロセスにおけるシナジー効果の評価方法を検討してみようと思います。

自社購買力分析

よく実施する分析として「自社購買力分析」があります。まず、仕入先のリストを作成し、仕入高の大きい順に並び替えを行います。次に、その仕入先について与信管理データベースなどを活用し、売上高を調査します。そして、自社がその仕入先の売上高に対してどの程度のシェアを占めているかを確認します。

勘の良い方はすでにお分かりかもしれませんが、M&A における買い手企業は、売り手企業が自社と同じ仕入先と取引をしている場合に、自社との仕入高を合計した場合のシェアを把握することができます。

その場合、自社のみではシェアが低く価格交渉力が弱かったとしてもM&A によってシェア(自社購買力)が大きくなった場合には、価格交渉力が強まるかもしれません。

このことは、遅くとも買収監査までには必ず把握できると思いますので、シナジー効果が見込めないと思えば、M&A を取りやめるという選択も可能です。

 HHI(ハーフィンダール・ハーシュマン・インデックス)

さらに、HHI(ある産業の市場における企業の競争状態を表す指標のひとつ)を用いた高度な分析・評価を行い、購買戦略を立案することも可能です。

 PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)

実際、M&A の現場を見ていると、ストロングバイヤーと言われる買い手企業でさえ、ここまでの評価はできていないように思います。PMI の経験者として、改めてPMI(M&A 後の統合プロセス)の大切さを訴えていきたいと思います。