創業オーナー社長が抱える悩み
ある地方都市で戸建て住宅の建設業を営んでいるA 建設は、創業者でオーナー社長であるA 氏のもと、地域に密着した戸建て住宅事業で成長した地元では有名な優良企業です。
しかし、A 氏には大きな悩みがありました。ひとつは、後継者の問題です。70歳を超えたA社長のひとり息子は東京の大手企業に就職しており、跡を継ぐ気はありません。後継者の育成を行ってこなかったことや高い株価がネックとなり従業員にも適任者はいません。
もう一つの問題は相続税です。A 建設は優良企業なので、A 建設株式の評価額は高額です。顧問税理士の試算によると、A 氏が亡くなった場合の相続税は約6 億円とのことです。
このように後継者問題は、相続の問題と表裏一体の関係にあることが多いのが現状です。
解決の切り札はM&A
最終的にこの問題を解決したのは、M&Aによる株式譲渡でした。A社長は、持ち株の2/3を隣県の中堅ディベロッパーであるB工務店に譲渡することにしたのです。
B工務店は、マンション事業を主力にしていましたが、戸建て住宅への進出を検討していました。B工務店によるA 建設の買収は、後継者に悩むA 建設、事業拡大を目論むB工務店両社にとって「渡りに船」だったのです。
また、もう一つの悩みである相続税に関しても株式売却による相続税納税資金の調達に加え、A社長の保有する1/3の株式の評価が「配当還元法」という方法で評価できるようになったのです。これにより、相続税評価額を大きく引き下げることができました。
想定外の効果もありました。オーナー企業から脱却したA 建設は、実力のあるA 建設の従業員を役員にし、B工務店と相互の営業エリアでの住宅建設、マンション分譲を共同で進めたのです。戸建てが主力の従来のA建設では考えられなかった大きなプロジェクトを任されるようになり、社内には活力がみなぎるようになったそうです。
最後に
M&Aには敷居の高いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、M&Aで事業承継問題を解決しているケースは着実に増加しており、M&Aは従来より格段に身近なものになりつつあります。
少しでもM&Aにご興味を持たれましたら、以下無料相談・お問合せから、お気軽にご相談ください。