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M&A 買収スキーム

記事作成日2017/02/10 最終更新日2021/01/13

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M&Aにあたっての買収スキーム

M&Aにより、企業又は事業等を買収するためのスキームには様々なものがありますが、今回は一般的によく用いられるスキームの特徴についてご説明致します。

合併

「合併」は、会社法に定められた手続きであり、売り手と買い手が法的にも実質的にも完全に1つの企業になるスキームです。売り手と買い手の立場に上下関係がなく、M&A後も売り手と買い手双方の経営陣がマネジメントを行うようなケース等で用いられるスキームです。

合併による場合、買い手の株式を新たに発行して、売り手の株主に対価として譲渡する(金銭で買い取ることも可能です。)ため、買い手は資金調達することなくM&Aを行うことができますが、その場合、買い手のオーナーが100%の支配関係を保持することができなくなるため、非上場会社のM&Aではあまりみられないスキームです。

株式譲渡

一口に株式譲渡といっても様々なスキームが存在します。最も単純なスキームは、売り手の株主が保有している株式の全部又は一部を買い手の企業若しくは買い手の株主が取得する方法です。単純な売買契約となるため、法的手続きが簡便であることがメリットとして挙げられます。また、買収後もオーナーチェンジ以外の変化が売り手側に生じないため、会社で働く従業員の混乱も起きにくいのが特徴ですが、その分従業員に対して、経営統合を進めるという動機づけが難しく、M&Aによる統合効果が得られにくいという一面もあります。

事業譲渡

売り手の企業が持つ事業を買収するというスキームです。事業譲渡の場合、買収対象を特定することが可能であるため、簿外債務を引き継ぐリスクも少なく、ある程度柔軟な譲渡契約とすることが可能です。

ただし、取引基本契約や雇用契約等、事業継続に欠かせない契約を個別に巻き直す必要があるため、株式譲渡に比べて手間がかかります。また、不動産等がある場合には登録免許税や取得税が別途かかることになります。