IPO の重要性
日本の中小企業の殆どが社長=会社であります。良くも悪くも戦後の奇跡と呼ばれた日本経済の発展を支えてきました。しかし、バブル崩壊後、社長=会社という図式が経済の発展の妨げになっています。戦後40年とバブル後の20年では大きく世の中の価値観が変わりました。
これは、企業も例外ではありません。護送船団方式の崩壊。年功序列から実力主義。団体主義から個人主義へ。しかし、現在も会社=社長という図式。言葉を変えると何処まで行っても個人商店レベルからの脱却が出来ていないのが多くの中小企業なのです。だからこそIPO が重要になるのです。
個人商店と中小企業
法律上、零細・中小企業は中小企業基本法で定義されていますが、法律と人の心は別物です。人なくして企業はありませんが、人だけでは商店以上にはなれません。商店ならば多額の資金を必要とせずに金融機関取引のみで成り立ちます。しかし、企業は多額の資金や投資が必要不可欠であり戦略的に考えなければなりません。そのためには価値基準をきちんとしなければなりません。
企業になるために
では、どの様な方法で商店が企業になるのでしょうか? 商店は社長の信用力のみで世間から評価されます。一方企業は会社の信用力で評価されるのです。では社長の信用力と会社の信用力との違いは?
答えは、社長の信用は社長個人の物差しであること。企業の信用は社会で認められた物差しが基準なのです。
IPOという物差し
物差し(価値基準)は立場によって異なります。例えば、税務署と金融機関では価値基準が全く異なります。IPO 自体は物差しとはなりませんが、IPO のプロセスが物差しなのです。世間で認めた物差しで会社の基準を検証し、土台作りを行います。だからこそ、様々な人が安心して投資対象として資金を投入するのです。
社長個人の物差しだけでは他人は安心して判断することが出来ません。IPO を目指すことによって、商店が世間と同じ価値基準のベースを持つことになり、企業となれるのです。