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ホワイトナイトとブラックナイト

記事作成日2017/05/15 最終更新日2020/05/20

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M&A は企業の成長戦略として非常に有効な手段です。M&Aを通じて会社を大きくすることは発展的かつ前向きと捉えられます。世の中の全てが善人ならば、殆どのM&A は成功するでしょう。しかし、残念ながら敵もいて、悪人もいます。付け込まれるリスクは大きいのです。社長は自分の会社や業界を完璧に理解していますが、会社法など法律面に疎いことが多いのが現実です。そこに付け込まれると、思わぬ落とし穴があったりします。

◆事例

関東地方を中心に展開している老舗サービス業A 社の例です。時代の流れに伴う家族構成やライフスタイル、個人の価値観の変化への対応が遅れ、更に若社長への経営権交代が重なり、会社のガバナンスが崩れかけの状態でした。その上、新興企業進出により売上が下降傾向に。かかる事態に、若社長の心には「不安」という隙。
そこに付け込んだのが、全国展開する同業B 社。一緒に新しい経営をしようと提案を持ちかけ、社長から株33%を放出させます。残株51%以上を保有するので支配権は確保できると社長は安心。その後、B 社は特別議決権を発動して社長の全株を要求。金額は先方の言い値で。当然社長は要求を拒否しますが株主総会で既に他の株主を巻き込んでいたB 社。結果本来の株価の10 分の一程度で売却を迫られます。慌ててB 社以外で株を持ってもらえる会社を探しました。幸いにして同業C 社を紹介してもらい社長株を売却。これによりB 社の企みを阻止することができました。社長は株主ではなくなりましたが、経営者として継続して働くことに。因みにB 社をブラックナイト(黒い騎士)、C 社をホワイトナイト(白い騎士)と呼びます。幸いホワイトナイトが現れたおかけでブラックナイトの思惑を排除できた事例です。

◆白い騎士との出会いは稀

現実的にはホワイトナイトの出現可能性は稀です。ブラックナイトは前々から準備しており、若社長は全て後手。当社は依頼を受け、早速ホワイトナイトを探しましたが簡単には見つかりません。このケースでは偶然に見つけたC 社が助けてくれましたが、B 社が入る前に相談を受けていれば、ホワイトナイトを待たずともB 社の思惑自体を阻止できたかもしれません。
この問題は会社のガバナンスという経営の根本の問題でもあります。全てを失うリスクに悩むより、専門家に相談することをおすすめします。TOMA グループでは、このようなガバナンスに関するリスクヘッジも行っております。お気軽にご連絡ください。