コロナショックがM&Aに与える影響
新型コロナウイルスの蔓延により、政府からも緊急事態宣言が発令されました。企業の経済活動にも多大な影響を与え、リーマンショック以上の経済的損失が見込まれるという話もあります。このコロナショックがM&Aに与える影響も大きく米国ゼロックス社が進めてきたHP社に対する350億ドルのM&A計画を撤回すると発表しました。
また、弊社の取り扱っている案件についてもDDの現地調査が実施できなくなり、交渉が延期になったケースや、買手企業が自社の売上の減少を鑑み一度ペンディングを選択した事例もあります。多くの企業がこのようにM&Aの検討を中止、延期をしている中、積極的にM&Aの検討を進めている企業もあります。
今の状況は買手にとっては有利な状況
日本におけるM&A件数はリーマンショックで一時的に落ち込みましたが、その後は毎年右肩上がりで伸び2017年度以降は毎年過去最高を更新し、2019年は4,000件を超えました。近年はM&Aによる買収を積極的に検討する企業が多くあり、良い案件であれば売手企業が買手を選べる状況にありました。
しかしながらこのコロナウイルスの影響でM&Aを検討する買手企業が減少しました。
その結果、終息の見えないコロナショックの影響で売手としても早急に売却したいという意識になり、売却希望価格が下がり積極的な買手にとっては有利な状況になりました。また、上場企業ほど社会情勢には敏感で株主への経営責任から不況下では投資に積極的になれません。
一方でオーナーと経営者が同一である中小企業はここがチャンスとばかりに経営者の一存で積極的な投資を行うことができます。つまり今の状況は買手にとっては有利な状況にあります。厳しい状況にあるからこそどのような手を打つのか?経営者が試されている時でもあるのです。
M&Aを成立させるためには一刻も早く行動を
一方で売手においては、将来的にM&Aということを考えていた会社は、できるだけ早急に行動に移すべきだと考えます。その理由は、不況下において会社の業績が下降傾向にある場合には会社の価値が漸減していきます。時間が経てば経つほど売却価格が低下するのです。
M&Aを実行に移したとしてもすぐに相手先が決まるとは限りません。候補企業が決まったとしてもその後、基本契約の合意やデューデリジェンスなど株式の譲渡までは数多くのステップを踏まなくてはなりません。よって少しでも高い金額でM&Aを成立させるためには一刻も早く行動に移す必要があるのです。
また、令和2年度の補正予算の成立が前提ではありますが、今回のコロナ関連の対策として経済産業省から「経営資源引継ぎ・事業再編支援事業」が公表されました。
補助内容
第三者承継時に負担となる、士業専門家の活用に係る費用(仲介手数 料・デューデリジェンス費用、企業概要書作成費用等)および、経営資源の 一部を引き継ぐ際の譲渡側の廃業費用
買い手、売り手への補助対象
➤買い手・・・専門家への報酬(仲介手数料等)
補助上限額:200万円(補助率は2/3)
➤売り手・・・専門家への報酬+既存事業の廃業費用
補助上限額:650万円(補助率は2/3)
TOMAコンサルタンツグループでは、最終的にM&Aで良いのか?自社のリソースでの解決策は無いのか?といった初期段階での検討からワンストップでご対応致します。M&Aに至った場合でも、相手先探しから成約後のPMI(企業統合)まで一貫してご対応させて頂きます。
初回相談は無料ですので、是非ご連絡ください。