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種類株式と属人的株式

記事作成日2017/08/08 最終更新日2020/05/20

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 株式会社では権利内容の異なる複数の種類の株式を発行することができ、会社法では9つの種類株式を規定しています。また、非公開会社においては、株主ごとに異なる取扱いをする旨を定款に定めることができる属人的株式を認めています。

◆種類株式とは

 普通株式とは異なる権利や内容を持つ特別な株式を指します。
 種類株式にすることにより、議決権や配当権、残余財産分配権などを制限したり、逆に優先したりすることができます。
 具体的には、以下の9種類があります。

(1)配当優先株式(優先的に配当を受け取れる株式)
(2)残余財産分配優先株式(優先的に残余財産を受け取れる株式)
(3)議決権制限株式(原則、株主は1個の議決権を持っているが、一定の事項、またはすべての事項について議決権を制限することができる株式)
(4)譲渡制限株式(種類株式ごとに譲渡制限することができる)
(5)取得請求権付株式(株主が会社へ買い取り請求できる株式)
(6)取得条項付株式(一定の事由が生じたときに会社が強制
取得できる株式)
(7)全部取得条項付株式(総会決議に基づき、その全部を強制取得することができる株式)
(8)拒否権付株式(会社の意思決定について、拒否権を発動できる株式)
(9)役員選解任権付株式(特定の株主に一定の役員の選任、解任などを求めることができる株式)

◆属人的株式とは

 種類株式とは別に、株式のすべてに譲渡制限が付されている会社は、株主ごとに異なる取扱いをすることができます。
 種類株式は、株式そのものの権利が変わりますが、属人的株式は、例えば社長の持っている株式1株につき100個の議決権を付与する、というように株式の保有者によって権利の内容を変更することができる株式です。そして、その社長が死亡すれば特別な手続きを踏むことなく、属人的株式は普通株式に戻ります。
 本来、剰余金の配当、残余財産の分配や議決権は、持株数に比例して多くなるのが原則ですが、属人的株式は、株主ごとに異なる取扱いをすることができるようになります。
 これらの株式は使い方によって円滑な事業承継を可能にします。ご興味をお持ちの方はお気軽にご相談ください。