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役員に社宅を貸した場合の家賃はどうする?

記事作成日2016/08/26 最終更新日2016/08/26

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役員に社宅を貸している場合の家賃の取扱い

役員に対して社宅を貸している場合に、役員から一定額の家賃を受け取っていれば役員は給与課税はされません。では、ここでいう一定額(以下「賃貸料相当額」という)はどのように計算するのでしょうか。まず、一般的な社宅なのかいわゆる豪華社宅であるのかで取扱いが変わります。

いわゆる豪華社宅は、床面積が240㎡を超えるもののうち、取得価額、賃料、内外装の状況等を総合して判断します。なお、床面積が240㎡以下のものについては、プール等の役員個人の嗜好を著しく反映したものでなければ、原則一般的な社宅とされます。

一般的社宅に該当する場合には、小規模な住宅であるかそうでないかで、賃貸料相当額の計算方法が異なります。小規模な住宅とは、建物の耐用年数が30年以下の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、建物の耐用年数が30年を超える場合には床面積が99平方メートル以下(区分所有の建物の場合、共用部分の床面積を按分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。)である住宅をいいます。

税金計算で用いられる床面積とは、通常「登記簿上の床面積」を基準としているため、不動産登記法に則って、1棟の建物なら壁の中心線、区分所有の建物なら壁の内側線で考えることになります。

豪華社宅に該当する場合の賃貸料相当額の計算方法

いわゆる豪華社宅に該当する場合には、時価(実勢価額)が賃貸料相当額となります。

小規模な住宅である一般社宅の場合の賃貸料相当額の計算方法

小規模な住宅である場合には、次の1から3の合計額が賃貸料相当額になります。

(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
12円×(その建物の総床面積÷3.3㎡)
(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

小規模な住宅でない一般社宅の場合の賃貸料相当額の計算方法

小規模な住宅でない場合には、次の1と2の合計額の12分の1(※)が賃貸料相当額になります。

(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%
なお、上記計算方法は、自社所有の社宅の場合で、他から借り上げた社宅を貸す場合には、会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記※とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

<参考条文>
所得税法36条
所得税法基本通達36-15
所得税法基本通達36-40~42