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「ビールゲーム」でM&Aの垂直統合を考える

記事作成日2018/06/25 最終更新日2018/06/25

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ビールゲームとは?

「ビールゲーム」と聞くとまた合コンでもするのか?と思われてしまいそうですが、実は、MITスローン経営大学院の教授が考案した歴史のあるビジネスゲームなのです。

ビール工場のサプライチェーン

4人1チームをビールの製造から供給に対応する4つの役割(小売店、二次卸、一次卸、工場)に分け、ビールの発注、納品を通してお互いが与える影響を把握し「全体最適」のしくみについて学びます。ネタバレしてしまいますので、詳細の説明はここでは割愛しますが、興味のある方はぜひ調べてみて下さい。

ビジネスでの応用

かくいう私も若かりし頃このゲームにはまり、なぜ在庫が膨らむのか?なぜ欠品が発生するのか?と頭を抱えました。自分の中で答えが出たときには、それはもう感動し、その感動を誰かに伝えたくなったものでしたが、知らない同僚からは「は、ビール?まじめに仕事しろよ。」と冷たくあしらわれたものです。

さて、この「ビールゲーム」、実際のビジネスの現場では、どのように活用できるでしょうか?

M&Aによる垂直統合

M&Aの垂直統合とは、事業の川上(製造)から川下(販売)まで一気通貫して自社で行うことを指します。M&Aの仕事をしていると、よく「PMI(M&A後の経営統合)までがM&Aだよ。」と、きれいゴトを耳にしますが、実際にはそこまで習熟しているケースは稀ではないでしょうか?

しかし、もし本当に垂直型のM&Aによってサプライチェーンのシナジーを最大化したいのであれば、各社の社長には、このビールゲームを通じて、なぜ戦略としてM&Aが選択されたのかを「体感」して頂きたいのです。きっと、これまでとは違った理念で経営に取り組むことになると思います。

システム思考とは?

最後に、このゲームの根幹にある「システム思考」の考え方について説明します。システム思考とは、物事をシステム(しくみ)として捉え、その構造を把握、利用して問題解決を行う考え方のことです。特に「全体最適」や「根本的な問題解決」に有効です。