TOMAに依頼したきっかけ
数年前から各店舗で独自に1on1を行っていましたが、ノウハウがなく手探り状態で、内部だけでの実施には限界を感じていました。
そんな折、TOMAさんのセミナーに参加した弊社会長から、TOMAさんなら手順書作成や研修などきめ細かく1on1のコンサルティングをしてくださると教えてもらい、お声がけした次第です。
コンサルティング依頼前の課題
従業員満足度調査で「心理的安全性」の低下が判明
外食業界の宿命なのかもしれませんが、長引くコロナ禍で「業界の未来が見えない」と辞めてしまう若手が増えていました。そうした若手をフォローして育てていく管理職の役割が、以前にも増して重要視されていたように思います。
そんな中、社内で従業員満足度調査を行いました。結果は、上司と話しづらいなどコミュニケーションに課題を感じているという声が多数を占め、いわゆる「心理的安全性」が低いことがわかりました。
独自の1on1の取り組みは現場に浸透していなかった
老舗飲食店の現場では、若い頃上司や先輩に怒られながら育ってきた方も多いです。だからといって同じように部下に接しようとしても、怒られることに慣れていない現代の若手にはその手法が通用しない。ビシバシ鍛えられて育ってきた職人気質の管理職は、部下との距離感がわからなくなっているのかもしれません。しかも、多忙な飲食店の現場ではじっくりと対話する時間が取れず、その傾向に更に拍車がかかっていく…。
これまでも各店舗の現場で工夫しながら人材教育を行っていましたが、体系化されたノウハウがなく、指導方法も、ややもすると属人化していたように思います。先程述べた通り、独自に1on1を実施するなど対応策も講じていましたが、現場にきちんと浸透しているとは言えない状況でした。
コンサルティングを受けて
弊社課題を踏まえた「1on1ミーティング手順書」を作成いただきました
まずは弊社の人材育成に関する課題についてじっくりとヒアリングいただき、その内容を踏まえて弊社仕様の「1on1ミーティング手順書」を作成してもらいました。1on1の目的や上司の心構えから始まり、6つのステップからなる実際の手順、話の聴き方のポイントなど、事細かに言語化されています。
手順書は、弊社の人材育成のあり方や目指すべき姿を踏まえ、わかりやすく、かみ砕いてまとめてくださったと思います。1on1を体系的にまとめたマニュアルは私自身初めて見ましたが、それをベースに改めて関係者からの要望も引き出すことができましたし、何より1on1を実施する目的が明確になったと思います。
幹部へ向けて1on1の研修を実施
その後は、取締役などの幹部や現場で1on1を進めるキーパーソンの皆さんに集まってもらい、1on1研修を実施。
内容は、1on1の定義や目的、求められる背景といった座学の他、参加者それぞれが1on1について考えるディスカッションや、実際の上司役・部下役に分かれてロールプレイングを実施しました。(以下、研修資料を一部抜粋)
研修後のアンケート結果 |
・傾聴する態度や表情が大事だということが分かった
・楽しい話のときは笑顔で、真剣な時は真剣に
・最初の話の入りが大事
・何でもいいよ、という問いは広すぎるので答えづらい
・事実・感情を判断して自分の体験を通じた失敗例を話すのも良い
・表情、相槌、オウム返し等、寄り添う姿勢が話を引きだす など
コンサルティングの効果
これまで実施してきた1on1は1on1ではなかった
今回、TOMAさんによる体系的なコンサルティングを受けてみて感じるのは「これまで自分たちが実施してきた1on1は1on1ではなかった」ということ。
単に管理職と部下がコミュニケーションを取ればよいという考えでは、ただ雑談を交わすだけで終わる、あるいはひたすら業務進捗の確認をする場になってしまいます。実際、これまで各店舗で行われてきた1on1はそのようなものだったのかもしれません。
1on1はそんなに簡単なものじゃない
管理職側ももっと1on1について勉強する必要がありますし、部下の側も単に話を振られて答えるだけではなく積極的に上司に質問するなど、二人のコミュニケーションの場をより価値のあるものにしていかなければなりません。
1on1はそう簡単に上手くいくものではない…良い意味での「焦燥感」のようなものを感じることができました。そうした気づきは、コンサルティングを受けて初めて得られるものでした。
自己流の1on1ではなく、確立されたノウハウを学んで、弊社の人材育成の目的を達成するプロセスにしていきたいです。
TOMAおよび担当コンサルタントの印象
担当の倉石さんとじっくりとコミュニケーションを重ね、飲食店の現場の課題を含め弊社が抱える人材育成の課題をうまく引き出していただきました。粘り強くヒアリングしてもらい、私もすべて出し切ったという感覚です(笑)。弊社に合った1on1研修をしていただきました。
TOMAに期待することと今後の展望
コミュニケーションを変えることで組織を変えていきたい
現在、幹部向けに研修いただいた内容を少しずつ現場に浸透させている段階です。現場からは手順書を実際に活用しているという声も聞いており、手ごたえを感じています。
とはいえ、まだまだスタートラインに立ったばかり。やはり弊社の場合は飲食店の現場の人材育成がカギですので、今後は現場スタッフへのフォロー研修なども考えていますのでまたご支援いただきたいです。
もともと飲食サービス業ですから、社員は人に寄り添うことは得意です。弊社は「自主自律型の経営」を目指していますので、現場からコミュニケーションを変えていき、組織を変革していきたいです。