2024年8月23日

【1on1進行シート】がダウンロードできます! 失敗しない1on1の進め方

組織開発

企業成長の鍵を握るのは、優秀な人材の育成と定着です。そして昨今、人材をつなぎとめ、育てるために有効とされている施策のひとつが上司と部下との1on1(1対1面談)です。

しかし、正しく行わないと逆効果となったり、上司が疲弊してしまったりと、思うように効果が出ないこともあります。ここでは1on1の基本と、効果的に行うためのポイントをご紹介します。

失敗しない1on1を進めるために有効な“1on1進行シート”が無料でダウンロードできますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

1on1で失敗しないため、まずは基本をおさらいしましょう

人手不足が慢性化し、深刻な社会問題となっている今、多くの企業が人材の育成、上司と部下のコミュニケーション、社員の離職といった課題を抱えています。そのような課題の解決策として近年注目されているのが1on1です。まずは、1on1の概要や考え方、期待される効果をおさらいしましょう。

1on1が企業に求められる背景

・労働市場の流動化
人材を採用・定着させるためには、働く人(求職者、社員)が求めるものを会社が提供する必要がある。

・働き手の価値観の多様化
働きがい、ワークライフバランス、自己成長など、多様
な価値観に合わせたサポートが求められている。

・ハラスメントのリスク回避
ハラスメントの要因となる“認識のズレ”を小さくするための上司と部下で考えをすり合わせる。

1on1がもたらす効果と組織への影響とは

1on1を実施することにより「雇用した人材が定着しない」「戦力人材が育たない」「社員間の関係性が悪い」「社内のコミュニケーションが不足している」といった問題を解決するきっかけを作ることができます。

1on1で意識的にコミュニケーションの機会を設け、上司と部下の相互理解を深めることが、組織全体に良い影響を及ぼします。上記のような上司・部下の関係性を構築することこそが、人材の定着・育成(戦力化)につながります!

 

効果的な1on1のために押さえたいポイント

1on1を適切な進め方で実施しないと、狙った効果が出ないどころか、部下の反発や上司の疲弊につながりかねません。ここでは1on1を実施する時に押さえておきたいポイントについて紹介します。

導入・実施時に行うべきつのステップ

Step1 1on1を行う目的を全社で共有する
経営方針と照らし合わせ、何のために1on1を実施するのか目的を明確にし、経営者・人事・管理職で共通認識を持つことが重要です。

Step2 1on1を効率的に行う上での仕組みを作る
担当者や面談頻度(例 / 月1回30分)等を決めることや、管理職1人につき5~6名に割り振るなどルールを決めましょう。また、進行シートを用意し、事前に話すべきテーマを決めることや、議事内容を正確に記載するなど記録に残す仕組みづくりも重要です。(こちらで1on1進行シートがダウンロードできます

Step3 上司やその部下が、正しい進め方やその必要性を理解する
正しい方法で実施できるよう、上司と部下の双方で、進め方や必要性を理解しておきましょう。特に上司側は「1on1は部下を理解するための時間」という心構えを持っておくことが大事です。

1on1は、必ず会社全体の取り組みとして進めましょう

上司の方が各々独自の方法で行っても、1on1の効果を十分に発揮できません。経営者・人事担当者が主導し、業務の中での優先順位を高めたり、フォローしたりすることで効果的な面談が実現します。

 

失敗しない1on1のために、“1on1進行シート”を活用しよう

失敗しない1on1のカギは「しっかりとした事前準備」と「議事内容の記録」にあります。

事前準備は、事前に面談を行う目的を再確認するほか、話す内容について情報収集・整理をしたり、時間配分を考える重要な作業です。また、議事内容をできるだけ詳細に記録しておくことで次回の1on1がより効果的なものになります。

こちらから1on1進行シートがダウンロードできますので、実際のシートを見ながら、以下お読みください。

 

<事前準備編>

①テーマ設定

1on1で話すテーマを事前に決めておき、進行シートに記載しておきましょう。
1on1のアポイントを設定する際に部下と同意を取っておくと良いでしょう。その際、話してほしい内容や、内容に応じた面談の想定時間を事前に伝えておくことで、部下も事前に準備ができます。

テーマ例:業務課題の確認、自身の強み・弱みの確認、短期目標の設定、今後チャレンジしたい仕事 など

②前回の振り返りメモ

前回の進行シートを見返して、前回伝え忘れたことや、改めて伝えたいこと、上司側の宿題の実施状況などを記載しておきましょう。

 

<議事の記録編>

①雑談

面談の冒頭で、雰囲気を柔らかくするための雑談を行いましょう。
気取らない雑談から、部下の本音や悩みが見えてくるものです。次回以降も思い出せるように、雑談の内容やその時の部下の反応もしっかり記録しておきましょう。

なお、雑談が苦手と感じる方は、「最近あった良かったこと&うまくいったこと」など、毎回同じ雑談テーマを設定するといいでしょう。その他、雑談テーマの例として「キドニタテカケシ衣食住=キ:季節 ド:道楽(趣味) ニ:ニュース タ:旅 テ:天気 カ:家族 ケ:健康 シ:仕事 衣:服飾 食:食べ物 住:住まい」というのもあります。

②部下の成長ポイント

直近の部下の行動で成長を感じたこと、よかったことについて、ポジティブなフィードバックをしておくことが大切です。時間内にきちんと伝えられるようにあらかじめ進行シートに記載しておき、更に、面談で伝えた時の部下のリアクションも記録しておきましょう。

③前回の振り返り

前回の面談で決めたアクションプランの実施状況について部下に確認し、その内容を記録しておきましょう。また、前回の面談で部下が課題と感じていたテーマについて、上司から見てここ最近で成長した点をあらかじめ記載しておき、面談の場で伝えてもよいでしょう。

また、前回課題と感じていたことに対して、部下なりに改善した点も聞いてみましょう。

④現状の課題

部下が困っていることについて傾聴し、記録しておきましょう。
なお、傾聴とは耳を傾けて、熱心に聞くことです。自身の価値観と照らして、それは違うと思っても即座に否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴きましょう。

⑤今後の重点目標

重点的に取り組みたい仕事は何か、チャレンジしたい新しい取り組みは何か、といったことを聞き出し、記録しておきましょう。ここ最近でやりがいを感じた仕事について聞くところから始めてもよいでしょう。

なお、それが出てこない場合は、上司から期待している役割を伝えることで、今後の重点目標を部下から引き出すことができれば理想的です。

⑥次回までのアクションプラン

次回の面談までに行う具体的なアクションプランを決定・記録しておき、次回以降の面談で確認しましょう。

ここでのポイントは部下に決めてもらうことです。「今後の重点目標」で決めたことに対し、「そのためには何が必要だと思う?」などと質問することで、部下に考えさせることが重要です。『やらされ感』がなくなり、決めたことを実行に移しやすくなります。

また、やるべきことが決まったら、成果を可視化することも重要です。来月までにどうなっていればいいか、どうなっておくべきかをできるだけ明確にして、次回の面談でしっかりと振り返り、検証を行えるように目標設定をしましょう。上司と部下の双方で改めて確認し、合意を取ることが大事です。

⑦その他

面談中の部下の表情や声のトーンの変化など、気づいたことは何でも記録しておきましょう。

(以下より1on1進行シートがダウンロードできます)

 

まとめ

いかがでしたか?

1on1の取り組みを開始したものの、結局、ただ雑談を交わすだけで終わる、あるいはひたすら業務進捗の確認の場になってしまっている・・・というお悩みはよく聞きます。単に上司と部下がコミュニケーションを取ればよいという考えでは決してうまく行きません。

是非、こちらの1on1進行シートをダウンロードしていただき、今日から、「失敗しない1on1」を目指して取り組みを開始してみてください。

1on1の進め方についてお悩みの点があれば、こちらからお気軽にお問い合わせください。また、失敗しない1on1のサポートも実施していますので、ご興味がある方はTOMAの1対1面談コンサルティングもご検討ください。

著者情報

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務<br />
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 取締役専務
ビジネスサポート部 部長 税理士・行政書士

陣内 正吾

人材開発・組織開発のみならず、事業承継や税務も含め多くの中堅・中小企業へのコンサルティングサービスを推進。TOMAのビジョン浸透のため2018年に10年後の自社の未来を考える全社プロジェクト「SHIFT TEAM」を発足させるなど、社内の組織改革を率いる。

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