近年急速にIT化が進み、便利なツールや開発ソフトなど、様々な商品が市場に出回ってきましたね。そのかいあってか、今や仕訳は最低限の簿記の知識だけで出来るようになり、決算業務も容易になりました。それに伴い経理担当者が受け持つ仕事は、仕訳が主業務の昔とは違い、管理業務が主業務になってきました。ところが、中小企業の経理担当者の認識は「経理の仕事は仕訳や、帳票作成」といったような考えの方が多いのが現状です。
今回から、そんな中小企業の経理担当者へ向けての「経理合理化」について、書いていきたいと思います。
仕訳=経理の考えは遅れている!
今までは経理の仕事といえば80%以上がルーチン作業と言っても過言ではありませんでした。毎日の定型業務で伝票整理をして仕訳を行い、毎月の月次処理、年度末には決算業務を行い、それを毎年毎年繰り返し続ける。これが経理の大部分でした。
しかし近年は違います。定型業務は中国へアウトソーシングしてコストダウンを図り、自社の経理担当者には管理業務を任せて、上層部は経営の事に専念する形を取る企業も多くなってきました。
「中国になんて任せられない!」
「中国なんかよりちゃんとチェックしている!」
そう思った方もいるかも知れません。ですが、中国でも仕訳はきちんとやっています。むしろ、日本企業よりもチェックは厳しいくらいです。
日本企業の経理担当者は作業の流れを担当者が把握しているため、新しく入った社員には先輩社員が作業指示をする形で仕事を覚えていく事が多いです。しかし、中国では作業は全てマニュアル化されていて、作業員は全てマニュアルに沿って仕事を行い、一つ一つの仕訳に対して厳重なチェックを行っています。もし仕訳ミスがあり企業側からクレームがあった場合、本来の契約金から減額され、減額された分は作業員の給料から引かれます。
そのため、中国の作業員はミスの無い様、必死に仕事をしています。もし日本企業で同じ形態をとった場合、一度の仕訳ミスで給料を減額されたら、経理担当者はみんなすぐに会社を辞めてしまいそうですよね。それほど中国の方が作業レベルは高いということです。
では、仕訳をアウトソーシングしている企業の経理担当者は何をしているのでしょうか?答えは、作業ではなく原価管理や資金繰りなどの管理に時間を使っているんです!そして、これらの仕事によって経理からお金を生んでいるのです。きっと今までとは違う、「作業」ではなく「管理」という視点で、仕事が出来るようになります。
中小企業の経理合理化に向けて、第2回の記事はこちら