人口減少による人材不足の解消や生産性の向上のため、RPAを導入して業務効率化を図る企業が増えています。
しかし実際に導入しようとすると…
どんなメリット・デメリットがあるのか?
RPA以外の業務自動化ツールと比較した時のRPAの利点は?
本当に業務効率化の実現するのか?…etc
さまざまな不安や疑問が出てきます。
今回はRPAの導入によって企業が受ける恩恵を中心に、多く寄せられる疑問を解決したいと思います。
目次
なぜ企業はRPA導入に踏み出すのか
RPAとはRobotic Process Automation=ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、ルールエンジン・機械学習・人工知能などを活用し、ホワイトカラー業務を効率化・自動化する仕組みのことをいいます。
では、なぜ今RPAが求められているのでしょうか?その要因の一つが日本だけでなく世界中で起きている少子高齢化です。生産年齢人口(15〜64歳)は年々減少傾向にあり、2040年には53.9%にまで減少すると言われています。2人に1人が15歳未満の子ども、または65歳以上の高齢者になるわけです。
では、この現状を乗り切るために、人間は残業を増やせばいいのかというとそういう話ではありません。
「働き方改革」をはじめとする限られた労働時間の中で、最大限の結果を出す生産性の向上が求められています。
減少する労働力の確保、生産性の向上を実現させるために開発され、導入が進むソリューションがRPAなのです。
「近い将来、今ある仕事の半分がなくなる」
近年こんなコピーをよく目にするようになりました。これをあなたは身近に実感していますか?それとも車が空を飛ぶような未来の話だと感じていますか?
事実、これまで人間が行ってきた仕事は徐々にロボットやAIに取って代わっているのが実情です。しかし、これを人間の仕事がロボットに「奪われる」と捉えるのは間違いです。
ロボットにできる仕事はロボットに任せて、人間は「人間にしかできない」仕事に従事するための変化だと考えると良いでしょう。これは製造業・建設業などのブルーカラーを見ればわかりやすいと思います。工場で産業用ロボットが導入されたことにより、人間は工場の運営における安全性の確保や、災害などが起きた際にも安定供給ができるようにサプライチェーンの確保、BCP(事業継続計画)の構築など、管理業務に従事するようになりました。
このように、ホワイトカラーの現場においても、生産性の低い単純作業はロボットに移行し、余力を新たな事業戦略の立案やクリエイティブな仕事、イノベーションを起こす業務に集中する、そんな時代が来ています。
2)RPAの導入による利点を徹底解説!
RPAが得意とする業務は「作業工程がルール化されている定型業務」や「膨大なデータを扱い作業に長時間かかる業務」です。人間のように意志を持ち、さまざまな要因を勘案して決定を下すような仕事は不可能ではありませんが、まだまだ不安定であり、汎用化されるにはもう少し時間がかかると考えられています。
では、 RPAを取り入れることにより、どんなメリットが生じるのでしょうか。
その1.作業をミスなく正確にこなす
まず、RPAを導入することの最大の利点はその正確性です。人間はどれだけていねいな作業を試みてもミスをしてしまう生き物です。職歴・習熟度によってそのスピードも正確性も個人差があります。その点、RPAは一度覚えた作業は決してミスすることなく、何時間でも作業をし続けることが可能です。24時間、365日休みなく働くことが可能なので、ビジネスタイムに限らず業務を任せられます。
この高速かつ正確な業務を支えるのが画面認識技術の向上です。データの入出力やフィールドの検知機能が、自動入力のパフォーマンスを支えています。もう一つ、忘れてはならないのが、作業プログラムの自動化です。
RPAの歴史を紐解くと、1950年代後半約からその原型は完成していたと言われています。しかし、これまで現場に普及しなかったのは作業を覚えさせるには、プログラミング言語の操作など高いITリテラシーが必要だったことが原因です。
近年のRPAは画面認識能力技術の向上によって作業を認識し、その動作を自動でプログラミングしてくれます。そのため、ITに詳しくない人も作業シナリオの作成が容易にできるようになったので、急速に広がり始めているのです。
その2.ロボットは教育する必要がなく、人間への教育は生産性の高い業務に時間を多く割ける
人間の場合、仕事を覚えさせるためには一定の教育期間が必要です。それは単純作業であっても例外ではありません。1日の業務の6割以上が単純作業と言われており、その業務を覚えてこなせるようになるには時間がかかるのです。
その割に、人間はライフイベントや不慮の事故、突然の病気などが原因で、退職や休職をしたり、転職したりという欠員の心配が常にあります。その点、RPAは退職の心配はありません。また、教育係の仕事も削減されて業務効率がさらに上がります。
その3.売上の拡大、生産性の向上
RPAを導入すると、単純作業を人間の代わりに黙々とこなしてくれます。新入社員が、単純作業を行わないと、「下積み期間がなくなり人が育たない」と昔ながらの根性論を唱えたくなるかもしれませんが、そんなことはありません。
単純作業に費やす時間がなくなるということは、生産性の高い作業に集中することができるので、成長スピードは格段に上がることが期待されます。また、人間がクリエイティブな仕事や、イノベーティブな仕事に集中できるようになれば当然、業績が上向く可能性が高くなります。
その4.コストの削減
RPAは大きくサーバー型とデスクトップ型の2種類に分けられます。
・サーバー型は会社の基幹システムなどに移植し、バックグラウンドで作業行うタイプです。
・デスクトップ型はノートパソコンなどにダウンロードし、人間が行うのと同じような作業を行うタイプです。
RPAをリリースしている会社にもよりますが、導入には数百万円から数千万円のコストがかかるといわれています。また、デスクトップ型よりもサーバー型の方が、導入費用が高い傾向があります。
単純に数百万円から数千万と聞くと「高い」と感じるでしょう。では、人間の雇用にかかる費用はどうでしょうか。人材の募る求人サイトや情報誌への掲載料を、RPAの導入費用と考えた場合は、RPAの方が高価かもしれません。しかし、RPAの良い点はランニングコストがそれほどかからないこと。つまり、一度導入してしまえばその後にかかる費用は人間よりも安いのです。
人間は毎月の給与はもちろん、社会保険や各種手当、残業代、賞与、年次昇給などがかかります。そのため、RPAの初期費用は数年でペイすることが可能です。圧倒的なスピードでミスなく単純作業をこなす事務員を新たに雇うと考えればそんなに高くはないでしょう。
もちろん人間にはロボットにはない良いところがたくさんあります。でも、単純作業を行う事務員を2、3名雇おうと考えているなら、人間よりもRPAの導入を真剣に考えた方がいいかもしれません。
3)マクロと比較した際のRPAのメリット
単純作業の自動化として先駆的存在であるマクロを導入している企業は多いと思います。マイクロソフトのExcelに標準装備されていることもあり、追加コストをかけることなく自動化が実現できるツールです。では、マクロがあるにもかかわらず、RPAを選択する企業が増えているのにはどんな背景があるのでしょうか。
その1.自動化できるアプリケーションが豊富
マクロは基本、エクセルに搭載されている機能のため、エクセルを介する作業が自動化可能です。
・エクセルに記入された数値をグラフ化してパワーポイントに貼り付ける
・エクセルに記入された英文をグーグル翻訳で日本語に翻訳する
・エクセルに記入されたアドレスにメールを送る…etc
このため、ワードからワードへの作業を自動化させたり、クラウド上のデータを基幹システムに転記したり、OCRで読み取ったデータを転記したりといったエクセルを介さない作業は自動化できません。一方でRPAは、エクセルはもちろん、会計ソフトや顧客管理ソフトなどエクセル以外のアプリケーションの操作、2つを連携させた自動化も可能です。パソコン上でできる操作は基本、すべて自動化できると考えて問題ありません。
その2.プログラミング言語がわからなくても登録が可能
マクロを使いこなすには主にMicrosoft Officeに搭載されているVBA(Visual Basic for Applications=ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズ)というプログラミング言語や、その他のプログラミング言語を理解する必要があります。
作業の自動化を始めると、必ず「もっとこうしたい」という改善欲求が湧いてきたり、業務フローが変更になったりというケースが発生します。その際、身近にプログラミング言語に精通した人材がいないと修正ができません。一方、RPAはプログラミング言語を理解していなくてもシナリオの登録が可能です。そのため、ITに詳しい人がいない部門でも導入しやすいというメリットがあります。
その3.ストレスなく大量のデータを高速処理
マクロに大量のデータを処理させると、コンピュータに大変な負荷がかかりフリーズすることがあります。フリーズまでしなくても処理速度が極端に落ちるなどPCの性能によって使いにくいことがあります。RPAはデータ量が膨大であっても高速処理が可能。そのため、自動化を想定している作業量が多い場合はマクロではなく、RPAを選択したほうが良いでしょう。
4)なぜ、AIではなくRPAなのか?AIと比較した際のメリットは?
RPAと人工知能(AI)の違いは何かをよく聞かれることがあります。RPAはルールに沿った作業をこなしてくれるロボットです。人工知能(AI)は、さまざまな要因、大量のデータを自ら学習、総合的に判断・推量することで自らルールを策定し決定を下す意志を持っています。
その学習容量は人間をはるかに超え、人間には到底及ばないレベルの作業を行えることが強みです。一見すると、AIの方が優れているように感じますが、なぜRPAの方が選ばれているのでしょうか。
その原因の一つが費用対効果です。現在のAIは、完璧な道筋を組み立てるまでに一定の時間がかかり、その分の費用もかさみます。また、AIが導き出した答えを、人間が間違っていないか検証することが不可能だからというのも原因です。AIが出した答えは、プログラミングした研究者本人でさえもわからないのです。
将棋ではすでに、人間はAIに勝つことができなくなっています。AIがなぜその一手を選択したのか、誰もわからないのです。
現在、企業で求められるのは単純な繰り返し作業を、人間が決めたルールに則り、正確かつスピーディに行ってくれる機械です。人間の作業時間を短縮してくれる機能が求められています。この点で、RPAの方が需要にマッチしているのです。
ただ、今後の流れはどうなるかわかりません。AIは限りない可能性を秘めていることは確かです。単純作業はRPAが担当し、人間とAIがタッグを組んで生産性を向上させる業務に取り組むという時代が来るかもしれません。
5)TOMAコンサルタンツが推奨する「WinActor」他のシステムと比較したメリットは?
さまざまなRPAシステムがリリースされる中で TOMAコンサルタンツが推奨するRPAはNTTグループが販売する「WinActor」です。
どんな特徴があるのかを解説いたします。
その1.純国産ツールで日本人が使いやすい
「WinActor」は2010年、NTTグループが8年の開発期間を経て誕生した純国産RPAソリューションです。日本企業の業務効率を力強くサポートすることを目指して、技術大国日本のノウハウが詰まったソフトウェア型ロボット。
目指す姿は「人間と寄り添い、互いに成長する関係を構築するRPA」であり、業界・業種を問わず、さまざまな現場で導入されています。日本製ですからもちろん、マニュアルからシナリオ作成まで全てが日本語対応なのでストレスを感じることなく運用が可能です。
その2.エクセルに限らない、あらゆるアプリケーションの自動化が可能
「WinActor」はソースコード解析× 画像マッチング技術により、Office製品(Excel、Access、Word、Outlook等)はもちろん、ブラウザ、個別の業務システムなど、Windows端末から操作・アクセス可能な業務ソフト、アプリケーションの操作を学習することが可能です。会計ソフトやERP、OCR、ワークフローとのリンクも可能なので、幅広い部門で展開することができます。
その3.自動化業務の可視化からRPA導入訪問研修などサポートが充実している
万全のサポート体制が整っているのも純国産システムならではのポイントです。全国にパートナー企業があり、NTTデータから直接技術認定を受けた技術者や講師もいます。
TOMAコンサルタンツもその一つです。また、TOMAコンサルタンツの強みである業務改善の観点から、業務の何を自動化し、どんな運用をしていくべきかまで、ていねいにサポートします。さらに、パートナー企業のみに与えられている無償トライアルも利用可能です。
その4.幅の広い導入実績
みずほ銀行や三井不動産、読売テレビ放送株式会社など、大手企業を中心に中小企業や教育機関まで幅広い導入実績があります。その実績は2018年12月末現在で、1900社を超えているというから驚きです。数あるシステムの中から選び出す際に、多くの企業で採用されている事実は信頼性に関わります。また、さまざまな業種で採用されていることから、自社の課題に合う導入事例が見つかる可能性も高いです。
その5.即日利用も可能なスピーディな導入
導入から運用までの期間が短いのも「WinActor」の特徴です。自社の業務に合わせたカスタマイズができるシナリオを作成する機能がついた「フル機能版」と、すでに完成されたシステムをパッケージで購入する「実行版」が用意されています。
導入まで何ヶ月も要するシステムではないため、スピード感を重視した導入を検討している企業にはおすすめです。自動化可能な業務の中から、費用対効果の高いものを選択し、現場に浸透したら徐々に業務の幅を増やしていくのがRPA導入の極意。「WinActor」は、そのスモールスタートに適したパッケージが用意されています。
その6.かんたん操作で自動化のシナリオ作成が可能
日本語のマニュアルで理解が容易なのはもちろんGUIを導入したことで直感的な操作が可能です。
GUI【Graphical User Interface(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)】とは、グラフィカルな操作ができるインターフェースのこと。かんたんに言うと、プログラミング言語を必要とせずに直感的な操作が可能です。そのため、ITに関する専門的な知識がなくても導入できます。営業部や総務部など、さまざまな部署での運用が容易にできるのです。
その7.リーズナブルな導入・運用費用
「WinActor」は価格面でも優秀です。年間運用費用は「フル機能版」が約90万、「実行版」が約24万なので、人間の従業員を雇うよりも安価です。また、PC1台から導入ができるだけでなく、何か特別な動作環境も必要ありません。
6)RPA導入に迷ったらまずはTOMAコンサルタンツにご相談ください
いかがでしょうか。
さまざまな観点からのRPA導入によるメリットがお分かりいただけたと思います。最後に、RPAを導入するために最も大切なことは自社の業務を棚卸し、自動化できる作業の選定、自動化後の人間の業務をどうするかなど「業務改善」です。
作業の自動化を含めた業務改善をお考えの場合はTOMAコンサルタンツにご相談ください。
トータルに手厚いサポートをさせていただきます。