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後継者に承継すべき経営資源

記事作成日2019/05/13 最終更新日2023/02/20

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事業承継のために必要なこと

 事業承継というと、一般的に株式を後継者に渡し、代表者を交代することが考えられますが、それだけではありません。
 後継者が安定した経営を続けていくためには、後継者の育成や、経営資源の承継が必要です。特に経営資源の承継を円滑に行うために、経営者は自社の経営資源について十分に理解を深めておく必要があります。

承継する3つの経営資源

 では、経営資源とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。
 これを大別すると「経営」「資産」「知的資産」の3つの要素で説明することができます。

(1)経営の承継
 経営の承継とは、後継者への経営権の承継をいいます。中小企業において経営者の存在は非常に大きく、事業の運営や業績は、その経営者の手腕によります。後継者の育成は事業承継の要であり、後継者教育を含めた事業承継には、一般的に5年から10 年以上はかかるといわれています。

(2)資産の承継
 資産の承継とは、事業を行うために必要となる事業用資産や資金などを承継することをいいます。
 会社の場合、法人が所有している事業用資産については、会社株式の引き継ぎにより、後継者に承継されます。しかし、不動産など一部の事業用資産が経営者個人の所有となっている場合もあります。自社株式に加え、これらの事業用資産の承継についても十分な準備が必要です。

(3)知的資産の承継
 知的資産とは、経営理念や経営者が持つノウハウや人脈、会社が持つ技術力や特許、許認可など、決算書には表示されませんが、企業の収益の源泉となる「会社の強み」のことをいいます。
 この承継がうまくなされず、後継者が自社の強みを理解していない場合、会社はその収益力を低下させてしまうおそれがあります。
 また、後継者が従業員の技術・能力を把握しておらず、適切な指示や準備ができない場合、従業員のモチベーションの低下や離職といった事態を招くおそれもあります。後継者に対して、知的資産をきちんと承継するためには、「知的資産経営報告書」などを作成することも重要です。

 TOMA では、「知的資産経営報告書」の作成も承っております。お気軽にご相談ください。


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