バックオフィスの業務に作業時間がかかっているけれども、なかなか業務改善できないという企業も多いと思います。バックオフィスの業務改善において、大幅な時間削減できるのが“経理の自動化”です。実際の改善事例を踏まえて、効率的に進めるためのヒントや注意点などをご紹介します。
目次
業務改善による削減効果例
以下に削減効果例を記載します。
①月80時間の削減:Excelで関数を活用し、会計ソフトへ転送可能に
Excelで作成している債権債務管理表などに関数を差し込み、会計ソフトに仕訳を転送できるフォーマットに変換。月4000件の仕訳を100時間かけて手入力していたが、確認も含めて月20時間に削減(従業員約400人)
②月50時間の削減:支払請求書をスキャンし、会計ソフトへ転送
支払請求書をスキャンしてデータ化し、買掛金・経費の発生仕訳の計上を会計ソフトへ自動転送。請求書500枚の確認と仕訳の手入力の時間を月50時間削減(従業員約60人)
③月8時間の削減:インターネットバンキングで、銀行関連の仕訳を自動化
インターネットバンキングを利用して、銀行入出金の明細のCSV形式での出力や、専用プログラム(API)によるソフト間の連携によって仕訳を自動化。月300件・10時間の仕訳を、確認も含めて2時間へ削減(従業員約100人)
これらの事例に共通するのは、「手作業による経理の仕訳入力を、いかにゼロに近づけるか」ということ。実際に自動化する際には、自社にとって費用対効果が大きい業務を見極めることが重要です。これは、経理だけでなく、業務改善全体についても同じことが言えます。
ONE POINT
自動化によって、「摘要などの書き方が属人化しないため、誰が行っても同様の仕訳で処理できる」というメリットもあります。
業務改善を効果的に進めるためには
上記の事例は、「自動化したい」というご依頼ではなく、「経理に時間がかかっている」というお悩みからスタートしたものです。多くの場合、どこがボトルネックなのか明確になっていません。そこでまず、業務を“見える化”することで課題が手作業にあることを見極めた結果、自動化を行いました。課題の発見は、以下のような流れで進めていきましょう。
STEP1:現在の業務の分析を、必ず「担当者以外の“客観的”な目線」から実施
STEP2:「誰から」「誰に」「何を渡し」「どんな編集を行い」「誰に」「何を渡しているのか」を明確化
STEP3:明確化した内容を文章化するなど、目に見える形にアウトプットして、業務フローを作成
STEP4:アウトプットされた内容から、「ムリ」「ムダ」「ムラ」の3要素で課題を抽出
STEP5:抽出された課題に優先度をつけて、優先度が高いものから改善に着手
3つの“壁”と解決のポイント
改善実行にあたって、大きく3つの壁があります。解決方法とともに解説します。
壁1:習慣の壁
従来の習慣から脱却できない。また、未経験のことに挑戦するため、担当者1人では何をすべきかわからない。
解決ポイント
古い習慣に気づき、「やめる」と決断・実行できる人が必要です。
壁2:部門の壁
他部門との調整が付けられず、部分最適になってしまったり、逆に要望する変更ができないままとなってしまう。
解決ポイント
自部門だけではなく、会社全体の利益を考えて、全部門に号令を発する調整力が重要です。
壁3:感情の壁
社長のクレジットカード明細など、必要書類の提出を催促しにくい。
解決ポイント
年齢・役職・人間関係にとらわれず、発言できる人が必要です。
これらの壁を突破するには、経営者自身の意思と発信、さらに社内のしがらみなどとは関係のない第三者の関与が重要です。また、自社の課題を見つけること自体がむずかしいため、客観視できる第三者の活用が効果的です。TOMAでは、経理はもちろん、さまざまな業務改善をサポートしていますので、まずはお気軽にご相談ください。