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【RPA導入事例】経理現場でAI-OCRを活用してデータ入力作業94%自動化に成功!業務改善のプロがRPA導入事例を解説!

記事作成日2022/06/29 最終更新日2022/06/30

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経理が劇的に変わる!プロが教える業務改善お悩み相談室
第4回「RPAの導入事例について」

業務改善のプロが、RPAに関する質問・疑問に全力で答える相談室。第4回目のテーマは、「RPAの導入事例について」です。だんだんとRPAについて理解が深まってくると、自社のどんな業務を自動化しようかと具体的なイメージも湧いてくるのではないでしょうか。多彩な業務の自動化が可能だからこそ、最大限の効果を発揮する業務を選択したいものです。今回は豊富な導入実績の中から、2つの事例をご紹介します。

RPAでの自動化は費用対効果に注意!

みなさん、こんにちは。TOMA ITコンサル部、副部長の田中です。 これまで、私が実際にお客様とお話しする中でよく質問されるRPAに関する疑問や質問について解説してきました。

前回までのテーマはこちら。
・RPAとは何か?どんな事ができるのか?(第1回)
・RPAを使った自動化は簡単に出来るの?(第2回)
・人を雇うのとRPAを導入するの、どっちがお得?(第3回)
今回の記事と併せてぜひ併せてご一読ください。

第1階から第3回まで読んで頂いた方は、RPAや実際の導入についてイメージが付きましたでしょうか。第4回目となる今回のテーマは「RPAの導入事例」です。すでにRPAを導入した企業がどんな業務を自動化させているのか、どんな業務を自動化させることがより有効なのかをご紹介したいと思います。

その前にまず、RPAでどんな業務を自動化させるべきかについて軽くおさらいしておきましょう。最初に検討してもらいたいのは「毎日、必ずやる業務」です。2ヶ月に1度1時間程度しか発生しない業務はRPAには適していません。システムの導入コストを回収するのに何年もかかり費用対効果に見合わないからです。

例えば

・1日1回決まった時間になったら特定のシステムを開いてバックアップを取る
・メルマガ配信など毎日同じアドレスにメールを送る

このような業務は誰がやっても結果に大差がなく、また毎日発生するためRPAの自動化に向いていると言えるでしょう。

次に考えなくてならないのが、費用対効果です。

ある業務を自動化した場合、どれだけのコスト削減につながり、導入費用の回収にどれだけの期間がかかるか?を検討した上で導入する必要があります。これまでの導入実績で言うと大体1年くらいで回収できればと考えるお客様が多いようです。

RPAの開発・運用にかかる費用は大別するとライセンス費用保守対応費用ロボットの開発費用の三つに分けられます。このうちライセンス費用、保守対応費用は毎月かかる費用で、ロボットの開発費用は開発時のみにかかります。 導入によってもたらされる削減費用は従業員の時間単価×削減時間で算出します。

ライセンス費用+保守対応費用+ロボットの開発費-削減費用

これでRPAの導入にかかった費用を何ヶ月で回収できるかを計算していきます。

例えば

ライセンス費用=100,000円/月
保守対応費用=10,000円/月
ロボットの開発費=500,000円/1業務
削減費用=150,000円/月

以上で計算した場合、導入費用の回収には12ヶ月かかり、以降はプラスに転じます。費用に関する詳しい内容は前回のブログで詳しく解説しているので参考にしてください。

ランニングコスト、開発費、削減効果のバランスを考えた上で、自動化する業務を決定するようにしましょう。RPAのシステム導入をサポートする企業は多くありますが、システムの構築のみをサポートする会社がほとんどです。TOMAのRPA導入サポートは、お客様にとって本当にRPA の導入が適切かどうか費用対効果も検討した上でご提案します。初回相談は無料なのでお気軽にお問い合わせください

経理の現場も激変! RPA導入事例1「経理担当の受発注業務」

では、実際に導入された事例ではどんなものがあるのでしょうか。経理で導入された業務を中心に解説したいと思います。

RPA導入前:年間2000時間のデータ入力

まずは、あるメーカーでの受発注オペレーションです。このメーカーでは毎日100件弱の商品受注が発生しています。経理部門の担当者はFAXなどで受注する手書きの発注書をもとに、(商品コード、JANコード、消費期限、配送区分)といったオーダー入力に必要な情報を調べ、受発注システムへの転記を行っていました。

熟練の担当者が一連の業務をこなす時間は1枚5分。業務時間は1日約8時間、年間で1900時間程度かかっていました。熟練の担当者で5分ですから、新人や業務に不慣れな社員が行えばそれ以上の時間がかかります。また、熟練担当者が休みを取れば業務自体がストップ、あるいは遅延が発生するだけでなく、入力ミスが発生するリスクは格段に上がります。

【RPA導入後】業務にかかる時間コストを94%削減

RPAとAI-OCR(※)を組み合わせることで、FAXの受信から受注システムへの入力まで一連の作業を自動化しました。まず、手書きで送られてくるFAXの注文書はAI-OCRというシステムで、テキストデータに変換します。FAXの受信がトリガーとなって自動でシステムが作動するため、受信に合わせて人間が動く必要はありません。

次に、RPAが変換された文字データを所定のシステムに自動入力します。検索して調べなければならない消費期限、配送区分といった情報もRPAが全て代替して行うため、人間の作業はAI-OCRがテキスト化した文字が正しいかどうかのチェックのみです。この作業は1枚20秒ほどで完了するため、1日の作業時間8時間から30分程に圧縮。削除率は94%と大幅な業務の効率化に成功しました。

※AI-OCR(光学文字認識)とは手書きの文字や紙に印刷された文字を、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術です。AIの学習機能を付加することで、識字精度は95%を超えています。『手書きや紙の資料を扱う業務は自動化できないのではないか』という先入観を持っている人もいるかもしれませんが、それは一昔前の話と思っていただいて結構です。

経理の現場も激変! RPA導入事例2「報酬支払処理業務」

もう一つ、事例をご紹介します。

【RPA導入前】独立システムのため、手作業での入力が必須だった

ある自治体の介護保険関連部署で導入されている、財務会計システムに関する事例です。この部署では外部と連動できない「支払処理命令」と「支出負担行為」の実施システムが使用されています。法令上の「命令」の決裁と連動して動くために独立しており、常に人の手でシステム操作を行う必要がありました。

業務手順

(1)担当者がPCで審査員報酬の月ごとの支払い予定のまとめを作成。
(2)独立システムの起動
(3)必要情報を1件ずつ転記
(4)支払命令として印刷
(5)精算経費関連項目を追加入力
(6)支払命令+負担行為として再印刷

※RPA導入前は全てが手作業でしたが、RPA導入後は(1)以外は全て自動化。

【RPA導入後】業務の90%が自動化!横展開でさらに効率化が実現

例え独立したシステムであってもRPAで自動化することが可能です。支出する内容や必要情報のまとめを記入したエクセルからRPAが自動で情報を抽出。独自システムの起動から資料のプリントアウトまでをRPAで自動化しました。年間工数20時間が2時間に短縮し、削除率は90%に上ります。19部署で同様の業務が発生していたため、自動化の横展開を実施し、合計で年間360時間の工数削減に成功しました。

この他にも

・会計ソフトから試算表を取り出す
・決まったエクセルを開いて、別の関数が入っているエクセルに貼り付け、試算表を作成する
・エクセル名簿からデジタルハンコを自動作成する…etc

さまざまな業務が自動化可能です。

TOMAでは、この他にも多彩な導入事例があり、経理に止まらず多くの業務の導入実績・ノウハウがあります。 初回相談は無料なので、RPAに興味がある場合はぜひ私、田中までご相談ください