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【比較表有り】RPAの費用相場、費用対効果は?業務改善のプロがRPAの導入コストから運用費までわかりやすく解説!

記事作成日2022/01/31 最終更新日2022/06/29

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業務改善のプロが、RPAに関する質問・疑問に全力で答える相談室。第3回目のテーマは、みんなが気になるお金の話。RPAの導入にかかる費用についてです。

一つの作業(シナリオ)を作成するのにどれほどの費用がかかるのか?デジタルレイバーと呼ばれ、人間に代わる働きをするRPAを導入するのと、新しい人材を雇い入れるのでは、果たしてどちらがお得なのか?今回も全力で解説したいと思います!

RPAは消耗品費ではなく人件費!視点を変えることが大切!

TOMA ITコンサル部、副部長の田中です。私がお客様のRPAに関する相談に全力で応えるブログも3回目となりました。第1回では「RPAとは?」をテーマに、RPAでできること、RPAが今後の日本のビジネスにおいてどれだけ重要かについて解説しました。第2回では「RPAを使いこなすために必要なノウハウと、その難易度」をご説明させて頂きました。まだ前回までの記事をお読みでない方は、ぜひ以下の記事も併せてご一読ください。

・第1回「RPAとは何か?どんな事ができるの?」
・第2回「RPAを使った自動化は簡単に出来るの?」

今回は導入の際に誰もが気になる「お金」の話です。RPAの導入は具体的にどれほどの費用を見積もっておけば良いのか。人間に代わる働きをするRPAの導入と新しい人材の採用では、果たしてどちらの方がコストパフォーマンスが高いのでしょうか。

まず、RPAを導入する際に大前提としてお伝えしたいのが、RPAにかかる費用はパソコンや携帯電話などのように、消耗品費事務用品費と考えてはいけません。デジタルレイバー=仮想知的労働者と呼ばれるように、RPAは人材を採用するのと同様に人件費として考えることが大切です。※但し経理上の勘定科目は人件費ではなく保守費などの費用計上で行う

数万円出せば手にはいるパソコンや携帯電話と同じような感覚でRPAの導入を検討すると、単純に高額に感じるからです。ほとんどの経営者が消耗品費に年間100万円も払えない!と感じるのではないでしょうか?一方で、年間100万円の人件費で社員を一人雇えるとしたらどうでしょう。しかも、ほぼ100%の精度で仕事をこなし、定年退職の心配もない人材です。

もしあなたが今、単純型もしくは選択型の業務の業務を行う人材採用を検討しているなら、RPAの導入に踏み切る良いタイミングかもしれません。

・単純型=誰がやっても同じ単純作業の繰り返し業務
・選択型=一定のパターンに沿って判断する業務。判断材料にベテランの暗黙知は必要ない。

RPAの費用は長期的な視点で捉えることが大切!

では、RPAの導入にかかる費用を具体的に見ていきましょう。

①:システム導入費(ランニングコスト)

まずはシステム導入費(ランニングコスト)です。一例として、TOMAが推奨しているWinActor(NTT研究所)の場合、月額ライセンス料は約75,000円(908,000÷12ヶ月)です。これは毎月かかる費用だとお考えください。

例えば、従業員一人当たりの時間単価を3,000円だと想定します。その場合、RPAの導入によって従業員の業務が1ヶ月25時間削減できればコストに見合う計算となります。

3,000円 × 25時間=75,000円

ランニングコストとして、もう一つ念頭においてほしい費用がシステムの保守対応費です。システムに不具合が生じた場合や、業務フローの変更などによるシステムの改修に必要な費用が保守対応費にあたります。業種業態によって様々ですが月に3時間程度(3,000円×3時間=9,000円)を想定してください。

②:導入サポート費(コンサル費用)

もう1つの費用は導入サポート費です。前回のブログでもお伝えしましたが、RPAは導入経験のない企業や、PC操作に精通している人材がいない企業が単独で導入するのは大変困難なシステムです。そのため、導入の際には専門家のサポートを受けることをおススメします。

導入サポート費は、RPAでシステムを構築する場合にかかる費用です。RPAで新しく自動化させたい業務があり、専門家のサポートを仰ぐときにかかるとお考えください。

RPAの導入に必要な費用

システムの構築費用は、サービスを提供する企業によって千差万別です。TOMAのRPA導入支援サービスでは、どんな業務を代替するのか、どれくらいの業務を代替させるのかによって、支援期間や金額は変動します。エクセルに入力されているメールアドレスに、毎日決まった時間にメールを送るといった単純な作業(シナリオ)の開発であれば10万円程度です。

一方で、複雑な作業の自動化であれば150万円程度かかるケースもあります。複雑な作業の代表的な例として、経理の現場で毎日のように扱われる請求書の自動転記が挙げられます。

(1)紙で授受した請求書をスキャンしてPDFファイルに変換(スキャン作業は人間が行います)
(2)PDFファイルをAI-OCRというシステムを使い、コピー&ペーストが可能なデジタルテキストデータに変換。
(3)PDFに記載されている企業名や金額、住所などを基幹システムに自動転記。

上記のような自動化は他のシステムとの連携があり、その作業は複雑になります。ちなみに、OCRとは光学文字認識のこと。活字だけでなく、手書きの文字なども自動でテキストデータに変換することが可能です。

RPAはOCRと組み合わせることで、より多彩な業務を自動化することができます。TOMAではより高度な識字が可能なAI-OCRの使用を推奨しており、トライアルの実測値では、識字率(正しい文字を読み取る確率)は手書き文字であっても95%を超える精度を誇ります。

人を雇う場合の費用

では、人を雇い入れた場合はどんな費用がかかるのでしょうか?給与や残業代、社会保険料、交通費などの福利厚生費などがランニングコストとしてかかります。

そして、採用するまでには初期費用も必要です。求人サイトへの掲載費用、仕事を教える教育費、新入社員用のパソコンや携帯、制服といった準備費用がかかることもあるでしょう。これは担当する業務や募集方法によっても異なりますが数十万から百万単位で必要になるケースが少なくありません。 以上のことから社員一人を雇うためのランニングコストを年間400万とした場合、3年間で1200万円+初期費用がかかります。

一方、RPAのランニングコストを年間100万円、導入サポート費を300万円と仮定すると、3年間にかかる費用は、600万円です。RPAを人件費と考えた場合、人間を雇うよりも効率的であることがわかると思います。

RPA導入費用と人件費の比較の図解

両者を時給の観点でも比較してみましょう。RPAには就労時間という概念がありません。そのため、1日に20時間(4時間はメンテナンス)、365日稼働した場合、ランニングコストに150万円かけたとしても時給はわずか205円です。

一方、人を年収400万円で雇った場合、月に190時間(20日勤務、残業1時間強)労働すると、時給は1,754円とRPAに比べて約8.5倍のコストがかかる計算になります。

●RPA
ランニングコスト150万 ÷(20時間 × 365日)≒ 205円

●人
年収400万 ÷(190時間 × 12ヶ月)≒ 1,754円

もちろん、人間はRPAではカバーできない多くの業務をこなすことができます。特に、経験や勘を要する感覚型と言われる業務です。新しく採用する人材に、感覚型の業務をメインに任せるのであれば人材を採用すべきですが、膨大な単純作業を任せる人材が不足しているのであれば、RPAの導入を検討すべきでしょう。

最後に、RPAの導入費用は長期的な視点で、費用対効果を算出する事が大切です。RPAの導入費用がいくらかだけに注目するのではなく、「導入後にどれだけコスト削減が望めるのか」、「導入するとどのくらいの期間でRPA導入費用を回収できるのか」を考えましょう。

毎日、数時間発生する単純作業がRPAの導入に一番向いています。反対に導入に多大な費用がかかるにもかかわらず、月に1度、数時間しか行わない業務を自動化してしまうとコストの回収には長期間必要となりますので、そうした作業には向いていないと言えるかもしれません。

以上のことから、どんな業務を自動化するかは大変重要なポイントになります。TOMAでは、長年の業務改善のノウハウを駆使し、お客様の企業ではどんな業務を自動化すべきかを費用対効果の側面も踏まえてご提案します。

RPAの費用対効果に関する図解

RPAはメリットだらけ!?

人に代わって労働を任せられるRPAの導入費用は、人よりも安価であることはご理解いただけたと思います。 費用以外にも人間を雇うよりもRPAに代替した方が良いメリットはたくさんあります。

雇用に関するメリット

まず最初に考えられるメリットとしては、経営者であれば、誰もが抱え込む重責の一つである雇用に関する悩みが軽減されることが挙げられます。RPAはシステムであるため、もちろん採用活動をする必要が無く、使いたい時に使うことが出来ます。また、RPAはやめようと思えばいつでもやめられます。システムには感情はないため、こちらが申し訳ないと感じることもありません。

雇用するということはハラスメントのリスクが発生することとも言えます。その点、ロボットには性別も年齢も存在しないためハラスメントは発生しません。心配が必要なのは、極稀に発生する可能性があるPCの故障と電気代だけです。

退職を気にしなくて良い

次に考えられるメリットとしては、RPAは人と異なり退職の恐れがありません。システムですから故障(エラー)が発生することはあっても、RPAが自発的に辞めることはありません。会社の資産として100%残ることも人にはないメリットです。

人の場合、手塩にかけて大切に育てた人材がある日突然退職することは少なくありません。また、産休、育休、その他のライフイベントによる人員減も想定する必要があります。 さらに言えば、どれだけ良い社員であっても定年というゴールがあり、いつかは会社を去ることになります。

24時間働ける力

3つ目のメリットとしては、24時間フル稼働させることが可能な点です。もちろん24時間というのは稀であっても、例えば人間が退社した夜間に稼働させ、翌朝にはスムーズに職務に臨める状況を作る事が可能です。つまり24時間、どのタイミングでも自由に動かすことが出来ます。これは人では実現出来ない労働力と言えます。

結果として生産性の向上につながる

最後に、RPAの導入によって生産性の向上が望めます。新しい人材を採用すると、先輩社員は教育係となり労働時間を割かれます。RPAを導入すると、社員は定型業務や新人教育に時間を費やす必要はなく、空いた時間を非定型業務に集中することが可能です。

非定型業務に従事する社員が増えることで製品やサービスの質が向上したり、新しいビジネスのアイデアが生まれたり、営業活動に集中できたりと生産性の向上が望めます。メイン業務と並行して単純作業を片手間で行っている方は少なくないと思いますが、この片手間が無くなることで、本来注力しなければならない業務に集中的に取り組むことが出来るようになります。

私はこれからの企業経営にRPAは必要不可欠な存在となると確信しています。RPAのメリット・デメリットを正しく理解し、最も効率的となる自動化を実現させましょう。RPAに少しでも興味が湧いた、もう少し詳しい話を聞きたい場合はぜひTOMAにご連絡ください。

RPAの導入は早目の決断が吉!

お客様とお話をしていると、RPAの導入に前向きであるにもかかわらず、「もう少し待てば、RPAの価格が下がるんじゃないか?」と考えて、導入に二の足を踏む方がいます。この点については少しもったいないと感じています。

理由としては万が一価格が下がったとしても、今の考えを変えない限り「もっと安くなるかも…」という考えが頭をよぎり、いつまで経っても導入の決断が出来なくなるからです。また早く導入することで以下のようなメリットも生まれます。

早めの導入により初期費用が早い段階で回収できる

RPAの導入費用と人件費を比較した場合、人件費の方が高くつくことは前述した通りです。自動化を踏みとどまっていれば、その間は単純作業は人間が行うことになってしまいます。

例えば、5年後に導入費用が大きく下がったとしても、結局その時点では既に採用・人件費用が多く支払われています。また、現在、転職市場は売り手市場であるため、新しい人材がすぐに見つかる可能性は低く、また優秀な人材が流出してしまうリスクもあります。苦労して見つけて育てた人材が、5年後も変わらず自社で働いてくれている保証はどこにもありません。

これら理由からRPAは早めの導入がおすすめです。早く導入することで、投資した初期費用をその分早く回収する事ができますし、繰り返しになりますが、RPAが5年後に退職することはありません。

RPAの価格に関する解説

TOMAでは、RPAの導入支援サポートを実施しています。TOMAがお客様に選ばれる理由は、あなたの会社の業務全体を俯瞰し抜本的な業務改善のお手伝いをすることにあります。どんな些細な質問でも構いません。初回相談は無料ですからお気軽にお問い合わせください。

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