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無料のRPAは信じても大丈夫?有料との違い、メリットデメリットを解説します!

記事作成日2020/04/13 最終更新日2023/03/10

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働き方改革、業務効率化といった課題が急務となっている現状において、注目されているのがRPAです。24時間、一生懸命ミスなく働いてくれる機械仕掛けの従業員ですが、当然、導入するにはそれなりのコストがかかります。

数百万、数千万のコストをかけて導入して、まさかの失敗…となっては目も当てられません。そんな中、注目されているのが無料で利用、お試しができるRPAです。今回は無料RPAの特徴や有料RPAとの違い、メリットデメリットなどを解説したいと思います。

無料のRPAツールはストレスフリー?

ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)、いわゆるRPAは、私たちが日々の業務を行う中で発生する単純作業をロボットに覚えさせ、作業を代行してくれるシステムの総称です。どんな業種、業態においても単純作業は業務全体の6割を占めるとも言われています。

本来取り組むべきクリエイティブな仕事の妨げになっているばかりか、少子高齢化による労働力人口の減少も相まって誰でもできる作業はロボットにという企業が増えています。

人間を従業員として迎え入れる場合、仕事を覚える速さが個人で違ったり、集中力の有無や体調によってケアレスミスが発生したりと不安定な要素がたくさんあります。昇進による昇給(コスト増)も付いて回る問題です。また、転職・定年による人材損失や、新たに人材を雇用した場合の再教育といった雇用側の負担増も考えないといけません。

その点、RPAは…

・一度覚えた仕事は忘れません。
・仕事のスピードは人間の数倍の速さでこなします。
・ケアレスミスをすることはありません。
・ランニングコストは一定金額かかっても人間よりも安価ですし、文句も言いません。
・定年や離職の心配もありません。

RPAの導入には数百万円から数千万円のコストがかかると言われています。しかしRPAは、それに見合うだけの働きをしてくれる頼もしい存在なのです。


そうはいっても、「いきなりそんな巨額なコストをかけるのは難しい」、「結局は大企業のツール、中小企業には高嶺の花」と感じ、導入に踏み出せない企業が多いのも実情です。

そこで注目されているのが無料のRPAです。
無料といっても…

・非営利目的でなければ使えない
・教育機関、教育目的でのみ利用可能
・ダウンロードできるPCは1台まで

といった利用条件が決められている場合がほとんどです。
営利目的での利用ができないなら、企業としては事実上「使えない」システムです。

また、上記の条件はなく利用できたとしても利用期間が数ヶ月〜1年と制限されている無料トライアルもあります。
あくまで無料のRPAは本導入のための「お試し」という要素が強いので、決してストレスフリーとは言えません。

企業だから無料利用の条件を満たせない…そんな場合はオープンソースソフトウェア(OSS)をダウンロードするのもあり

非営利団体でなければ使えない、開発者でなければ使えない、教育目的でなければ使えない。そんな条件ばかりのフリーソフトでは導入は不可能です。かといっていきなり高コストの有料ソフトは導入できない。そんな場合には、オープンソースソフトウェア(OSS)を利用することを検討してみてはいかがでしょうか。

オープンソースソフトウェア(OSS)とは、利用者の目的は関係なく、利用できるソフトウェアのことです。フリーのオープンソースソフトウェア(OSS)の中にはRPAと同様の機能を持つものも存在します。ただし、このようなソフトは、高度なIT知識が必要な場合が多いという難点があります。

無償版・評価版・ベータ版…ツールによって呼び方が色々ある

RPAはツールによって無料トライアル、無償版・評価版・ベータ版などいろいろな呼び方があります。結局はどれも無料で使えるツールのことですが、トライアルは利用期限が決められているもの、ベータ版は開発途中のサンプルといった違いがあります。

RPAツールは一体どんなことができるのか?フリーソフトも有料ソフトも機能は同じ?

RPA導入を検討している企業の担当者の中には、コスト問題は当然として、「RPAツールではどんなことができるのか」「自社業務での利用が可能かどうか」がわからない人もいると思います。そこで、RPAでできることを少しまとめておきたいと思います。

その1.見積書や請求書など、帳票の発行

決まったフォーマットに決まった企業名、入金先、金額などを入れる単純作業はRPAの得意とする業務の一つです。月に何十何百とコピーアンドペーストを繰り返しているという企業にはオススメです。

その2.給与明細をはじめとする経理計算

RPAの使い方の一つにエクセルにまとまった情報を、別のアプリケーションに転記するという機能があります。また、自動計算をさせることも可能です。そのため、ミスが起きやすい割に、ミスが許されない経理業務などに向いています。

給与の計算や、交通費の計算なども可能です。新宿駅から表参道駅までの経費を計算するという業務も、電車料金がわかるサイトにRPAが自動でアクセスし、駅名を記入。そこで算出された電車料金を自社システムに転記するといったことも可能です。

社員が数百人規模の中小企業で経理担当数名がすべての給与計算をしている。さらに、ミスがないよう、ダブルチェックを欠かさずに行っている。月末月初は残業が常態化している。
そんな企業にはミスの心配のないRPAは大きな味方になってくれるでしょう。

その3.POSデータダウンロードをRPAに

あるメーカーではPOSデータのダウンロードを毎日従業員が手作業で行っていました。POSデータは、売り場の演出や新商品開発にとても貴重な情報です。

しかし、ダウンロードに大変な時間がかかるため、全ての商品のダウンロードが行えないばかりか、毎日すべきダウンロードを週1回行うのが限界でした。

この単純作業をRPAに変更したところ、毎日全てのデータをダウンロードすることができ、労働時間の削減、新しい戦略の立案に効果を発揮しました。

その4.社内システムのバックアップ

顧客データを毎日バックアップするが、ミスが発生した場合に備えてバックアップ中は常にパソコンの前にいないといけない。このような業務もRPAに代行させることができます。たとえミスがあっても、そのデータだけをピックアップさせる。あるいはシステムの不具合が発生した時は担当者にアラートさせることも設定できます

人間はミスや不具合が出た時だけ対応すれば良いのです。これまではビジネスタイムに行っていた業務も、RPAであれば終業後の深夜に作業をさせることも可能です。

上記の作業はRPAでできることの一例です。考え方や工夫によってさまざまな使い方が可能になります。もちろん、フリーソフトでも上記の作業は可能ですが、利用に条件・制限があるので、注意が必要です。

無料の限界は確実にある!有料ツールとの違い

無料ツールの限界はトラブルが発生してもアフターフォローがなかったり、導入できる規模が限られたり、有料より機能面で劣る場合が多いです。RPAを開発している企業はボランティアではありませんから、当然といえば当然です。無料ツールはあくまで「試用」と割り切るのが正解です。

RPAソフトの見極めは任せる業務によって

では実際に、「ダウンロードをして使ってみよう!」と思っても、【RPA・無料】と検索をかけると、たくさんのフリーソフトが出てきます。「この中からいったいどれを選べばいいのか…?」と迷ってしまうこともあるでしょう。

そんな時には「自社の課題は何か」に立ち戻ることが大切です。自社の課題解決に向いているソフトを選びましょう。試しに数種類にフリーソフトをダウンロードし、ユーザーインターフェイスの使いやすさなどを比較してみるのもありです。使いやすさは絶対条件の一つ。そうでなければ実際に使うITに詳しくない現場に定着させるのは困難だからです。

意外な盲点!フリーのRPA ソフトは日本語対応していないものが多い

いざ、ダウンロードをしてみたところ、「あれ?全部英語で何が何だかわからない」というのは「RPAあるある」です。RPAを開発しているのは主に欧米で、日本語に対応しているソフトは多くありません

そのため、英語に強い人がいない、ITリテラシーが高い人がいない。そういう企業ではフリーソフトの導入は難しいでしょう。日本語対応しているシステムは限られており、コストも他に比べて少し高めの設定になっているケースが多いようです。

フリーソフトはアプリケーションとの連携可否も大切

WordやExcel、PowerPointといったOfficeはもちろん、クラウドの営業管理システムや外部サーバ、アプリケーションなどとの連携が可能かどうかも重要なポイントです。クラウド上に保存された営業の交通費精算データを自社サーバにダウンロードして、Excelに転記するといった作業はRPAではよく行われる使い方。システム連携の可否はとても大切なポイントです。

1つのアプリで完結するならRPAを使わない方法もある

ちなみに、外部のシステムと連携が必要ない。エクセルだけで完結する作業であれば「マクロ」を使用した自動化も可能です。また、プログラミング言語が得意な人が社内にいる場合はVBA(Visual Basic for Applications)を利用して、さまざまな作業手順を覚えさせることできます。

しかし、当然ですがマクロを使いこなすことは万人ができることではありません。プログラミング言語を自在に操れる人材はさらに少ないでしょう。どちらも専門的な知識を要するため、より簡単に自動化をさせたい場合はRPAの導入がおすすめです。

いまだRPAは発展途上にあり、今後もどんどん進化する可能性を秘めています。競争が苛烈し、ユーザーの利便性はさらに向上していくはずです。

有料or無料の選択、比較に役立つ無料ツールのメリット・デメリットは?

最後に、無料ツールのメリットとデメリットをまとめたいと思います。メリットデメリットを鑑みて、それでも無料ツールを選ぶのか、それとも有料ツールにするのか、比較検証に役立ててください。

●無料ツールのメリット

その1.導入コストがかからない
無料なので、軽い気持ちで導入をすることができます。「ちょっと試しに」「有料での本格導入に向けてプレ導入したい」。そんな時にはまず無料ツールから始めるといいでしょう。

その2.無料ツールは(意外と)使いやすいものが多い
機能が制限されていることもあり、シンプルな作りになっているものが多いのも無料ツールの特長です。

●無料ツールのデメリット

その1.全ての機能が使えない
RPAの操作や機能に慣れ、PDCAを行なっていると、「もっとこうしたい」「これができたらさらに便利」という要望が出てくるでしょう。その時にブレーキとなるのが無料ツールの機能制限です。ただ、そこまで自社に定着したのなら有料に移行する時期ともいえるでしょう。

その2.サポートがない
無料ツールを利用していて、操作方法がわからない。システムに不具合が出た。そんな時にベンダーに問い合わせても無料ツールでは対応不可と言われるケースがあります。また、問い合わせが可能でも、海外で開発されたシステムの場合、日本語での応対ができないことも多いです。

無料トライアルのメリット・デメリット

無料トライアルとは、利用期間が決まっているRPAのことです。期間に制限なく使える無料ツールとは少し、メリット・デメリットが異なります。

●無料トライアルのメリット

その1.すべての機能が使える
無料トライアルは実際の有料ツールをそのまま使えるため、際限なくすべての機能を試すことができます。本導入した時の状態を明確に描くことができます

その2.手厚いサポートがある
無料トライアルは無料期間終了後に有料ツールに移行してもらいたいとベンダーも考えているため、サポートが充実しているケースが多いです。

●無料トライアルのデメリット

その1.使用期限がある
決められた日数を超えると機能はすべて使えなくなってしまうのが無料トライアルのデメリットです。なんとしても、ずっと無料でRPAを使いたいのであれば無料トライアルを選ぶことはお勧めできません。あくまで、有料ツールへの移行を前提とした場合に無料トライアルを選ぶべきです

その2.契約があり、ちょっと試したい時には不向き
前述もしましたが、あくまで有料ツール移行までのお試しというのが無料トライアルです。そのため、法人としての契約が必要になります。個人的にちょっとだけ試してみたいという利用はできません。

RPAに興味はあるけど右も左も分からない…そんな時は TOMAを頼ってください!

いかがでしたか。
無料のRPAツールはコストがかかりませんが短所もあります。RPAにある程度精通していれば、自ら選択することも可能ですが、最初はきっとわからないことが多いはず。特にIT分野は日進月歩で進化するため、最新情報に追いつくだけでも大変です。

迷った時にはTOMAコンサルタンツにご一報ください。貴社の課題に合わせたRPAツールをご提案させていただきます。
「企業の一員としてRPAを迎えたい」と思うのであれば、無料ツールではなく有料ツールを選択すべきというのがTOMAの考えです。

そこでTOMAがおすすめするRPAツールは日本製の「WinActor」です。NTT研究所で作られたシステムですから当然、日本語に対応しており、海外製のRPAツールに比べ日本企業が導入しやすい工夫が随所に施されています。また、「WinActor」はサーバー上に直接システムを埋め込む「サーバー型」ではなく、PCにシステムをダウンロードする「クライアント型」のため、比較的安価な導入が可能です。もちろん導入が進み、集中管理が必要になった際には「サーバー型」への移行も可能です。さらに「国内シェアNo1」のシステムなので信頼性も抜群です!

通常、「WinActor」に無料体験はできません。トライアルは有料が基本なのですが、TOMAにご相談いただければ、1ヶ月の無償ライセンスを提供することが可能です。正規販売代理店だけの特権なので、興味のある方は是非ご一報ください。

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