業務改善のステップを遂行するために必要なスキルはどんなものがあるでしょうか。決して特別な技術が必要なわけではありませんが、知っているといないでは大きく異なるものです。今回は業務改善を行う際に会得しておくべき「4つの技術」を紹介します。業務改善についてのヒントになれば幸いです。
業務改善を行うにあたり、事前に業務の棚卸をすることで課題点を明示的に洗い出すことが出来ます。無料の棚卸表(エクセル資料)をご用意しましたので、ぜひご活用ください。
技術1.会社の現状を分析する能力
まず一つ目として業務改善を行うには会社の現状を分析する能力が必要不可欠です。個人の感覚に頼らず、誰もが問題を客観的に判断できるようにすることが大切です。具体的には業務を図解し、仕事の流れを見えるようにしたり、一目で分析した結果がわかるデータを作成したりすることで、改善に関わる人間全員が共通の問題意識を持てるようにします。
チームや組織で共通認識を持つことは実は簡単ではありません。そのため、言葉などで問題意識を共有するだけではなく、実際に数字を提示したり、場合によりグラフ化するなど視覚的に分かりやすくする工夫も必要でしょう。
技術2.改善アイデアを出す発想力
問題が見えるようになっても改善のアイデアが全く出ない、もしくは見当はずれな改善策では意味がありません。ブレーンストーミングやブレーンライティングなど、アイデアを出す方法を学びましょう。また、発案されたアイデアの良し悪しをきちんと判断できる能力も必要です。
ただし、改善アイデアはありつつも、そもそもアイデアを出すことに恐怖や苦労する環境であれば意味がありません。もしかするとアイデアが生まれることに対して抑制的な環境なのかもしれません。したがって、業務改善のための発想力はアイデアを実際に取り組み易い環境という条件が揃って初めて真価を発揮すると言えるのかもしれません。
技術3.業務の特性や問題に合わせた改善を行う対応力
全国に支店のある会社の支店長が集まり会議を行う。一昔前であれば新幹線や飛行機に乗り本店まで出向くしか方法はありませんでした。しかし、現在はほとんどのパソコンにカメラが内蔵されており、Zoomやスカイプを利用すればかんたん、かつ驚くほど安価でテレビ会議を開くことが可能です。コロナ禍によりテレワークが一気に普及したこともあり、Web会議システムは今後も活用を推進することが重要です。
Web会議に限らず新しいツール・システムなどによる改善を行う際には、当然IT技術に精通していた方が良いでしょう。IT技術に対する課題は人材育成によって解決する問題であれば、管理職の確かな指導力が必須となるため、管理職にもIT分野の知識・スキルが求められます。
また、システムの使用方法を周知するにはマニュアルによる共有が一般的ですが、ただ作れば良い訳ではありません。誰が行っても一定の結果が出せるマニュアルの制作をするなら、制作者には論理的思考力や構成力が必要です。
技術4.改善を途中で投げ出さないマネジメント力
業務改善が途中で暗礁に乗り上げてしまうことは少なくありません。通常業務が忙しく、手が回らなくなってしまうこともあります。改善計画のスケジューリングや、進捗を確認する会議を開く、PDCAの実施など、業務改善に取り組む際には途中であきらめない覚悟が必要です。
さらに業務改善のためのシステムをなんとか導入したとしても、思ったように成果が出ない場合や、作業者がいつまでも既存の作業手順を変えない、といった想定外のケースはまま起こります。しかし、そういった状態になっても折れずに、粘り強くシステムの入れ替え作業を続け、最終的にストレスなく作業者が実行できるように持っていく、ある種のプロジェクトマネジメント力は業務改善担当者には必要な要素です。
以上の4つの技術を少し換言するならば、現状分析→改善案の発案→改善案の検討→実施、という流れになります。それぞれのステップに応じたスキルを磨き、業務改善を成功させましょう。
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