-
従業員一人ひとりがリスクマネジメントを考える
あなたは日常業務を行なっている中で、発生しうるリスクに対して事前に適切な策を講じているでしょうか。賠償金の発生や資産の損失につながる事象を事前に防ぐための「リスクマネジメント」というワードを聞くと、会社全体の問題であり、一従業員には縁遠い話と感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。規模の大小はありますが、通常業務を行う中にもさまざまなリスクが隠れています。実際にあった話ですが、以前務めていた会社では、売上の記録などが記載されている業務日報をクライアントに誤送信してしまうという事例が発生したことがあります。このクライアントとの取引は翌年なくなり、誤送信をした社員は責任に耐えられずに退社をしてしまいました。このように、ほんのちょっとしたミスが、会社に多大な損害を与える可能性があるのです。
-
想像力を働かせてリスクをピックアップ
自分の業務の中でリスクマネジメントを行うには、想像力が不可欠です。「この業務にはこんなミスが発生するかもしれない」、「新しいフローを導入したらこういったケースで問題が発生するかもしれない」、「ミスを限りなくゼロにするためにできることはないだろうか」など、自分の置かれた状況、与えられたタスクを客観的な視点で見ること、発生しうるリスクの発生を防ぐ策を事前に講じることが大切です。業務内容は日々変化するものなので、定期的に自分の業務を見直すのがオススメです。
-
対策順序は損害の大きさと、発生確率の2側面から
さまざまなケースを想定し、リスクを洗い出したら次は優先順位を決めます。「会社への損害」、「法的制裁」、「ブランドイメージ」などの観点から、重要度の高いリスクから対策を講じます。リスクヘッジの方法大きく分けて4つ。リスクを発生させない「回避」、発生した場合の損害を最小限に抑える「低減」、発生した損害に対して保険をかけ第三者の助けを請う「移転」、問題が発生してもそれを受け入れる「保有」の4つです。もちろん「回避」できるのが最善ですが、ケースによっては「低減」や「移転」で対策する必要もあります。
リスクマネジメントを実施すると、書類の3重チェックを実施するなど、通常業務に支障をきたし、生産性が下がってしまうケースがあるので、大勢でチェックするのではなく、チェック方法を工夫して業務を改善しなければなりません。