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テレワーク時代が本格到来 効果的な導入方法、メリットを解説

記事作成日2021/01/25 最終更新日2023/03/10

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新型コロナウィルス感染症の世界的流行から約1年が経ち、2020(令和2)年はライフスタイルが大きく変化しました。ビジネスの世界では、テレワークを本格導入する企業が増加しています。

今回はテレワークの状況から、導入によって得られるメリット、導入方法までを解説します。

テレワーク導入に向けた5つのステップ

テレワークの現状は?

近年、急速に導入が進むテレワーク。すでに導入をしている企業もあれば、これから導入をしようとしている企業もあるでしょう。そもそもテレワークとはどんな働き方のことを指すのでしょうか?

「一般社団法人 日本テレワーク協会」の定義によると、テレワークとはtele(離れた場所) work(働く、仕事)を合わせた造語で、情報通信技術を用い、時間や場所にとらわれない働き方を意味します。

日本で導入されたのは1980年代中頃と言われています。当時の背景は、出産や結婚を機に退職する社員を減らすことが目的でした。その後、テレワークはサテライトオフィスの設置や、ネット環境などインフラの整備によって徐々に定着し始めますが、普及の最大の壁は「人の感情」とも言われていました。

・育児のためにテレワークや時短勤務を選択することは、他の社員の負担を増やすことになるため申請しにくい。
・介護が必要な家族がいることを、同僚に知られたくない。
・テレワークを選択する=仕事をサボっていると思われそう。

どれだけ会社や政府が働き方改革を推進しても、以上のような人的要因が普及を妨げていました。これまで政府はテレワーク普及のために、さまざまな施策を打ち出しています。

その中の1つが、東京オリンピック開催期間中の人の流れを想定した「テレワーク・デイ(ズ)」です。
開会式である7月24日を「テレワーク・デイ(ズ)」とし、
・全国にテレワークの定着させること
・テレワークの普及により、通勤者を減らし、オリンピック期間中の混雑を緩和すること
を目的として実施しています。

通常、期間を限定した「テレワーク・デイ(ズ)」は、2020(令和2)年、新型コロナウイルス感染症の流行もあり期間を決めず、継続したテレワークを推進しています。

この他にも、テレワークの顕著な利用実績が認められる企業を表彰する「テレワーク先駆者百選・総務大臣賞表彰」や、テレワークの普及・啓発を目的とするセミナーの実施、「経営力向上計画」などの税制優遇、はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)など、さまざまな施策を行っています。
テレワークとは

テレワークには3つの形がある

一言でテレワークといっても、働く場所や目的によって3つの形があります。

その1.在宅勤務

自宅を仕事場として勤務する形です。会社との連絡手段に必要なものはインターネット環境、パソコン、電話、FAX、ヘッドセットなどがあります。自宅でのリモートワークで最も大きなメリットは、通勤時間がゼロになること。社員が片道1時間半の通勤を毎日行っている場合、1週間で15時間、1ヶ月(20日勤務)で60時間の時間を短縮できます。

デメリットは勤務状況が全く見えないこと。自宅にはテレビやネット、さまざまな誘惑があります。ズームなどのアプリを介したビデオ会議以外、サボっていてもわかりません。「管理職が把握できない=正当な評価ができない」というリスクがあるため、テレワークに特化した就業規則や評価制度を構築する必要があります。

その2.モバイルワーク

営業などが外出先や移動中に業務を行う形です。一昔前は、外回りの営業後、帰社し上司に報告というのが普通でした。しかし、帰社してからの報告ではタイムラグが発生しますし、移動時間は会社にとっても本人にとっても無駄な時間となります。

モバイルワーク最大の利点は移動時間も有効に使える点です。自宅から営業先へ直行することも可能になります。クラウドを介したアプリケーションを利用することで、営業の進捗をリアルタイムで全体共有できるのがモバイルワークのメリットです。

デメリットは外出先からネットへアクセスする際、セキュリティ面を万全にしないと情報漏洩の危険があります。パソコンをネットにつなげる際には、セキュリティを整えたスマホとのテザリングのみに限定するなど、運用ルールとモバイル機器の準備が必要です。

その3.サテライトオフィス勤務

勤務先ではない一般のレンタルスペースや専用のサテライトスポット、数社の企業が混在する共同サテライトなどで勤務する形です。都市に本社を持つ企業は郊外に、地方の企業は都市の中心部にサテライトを構えるのが一般的です。

育児、出産、介護などの理由で時短勤務をしている社員や、営業、テレマなどのサポート業務はサテライトオフィスの勤務が適しています
また、本社オフィスと変わらないデスクや椅子、コピー機など設備が充実しているのはメリットですが、現在流行している感染症の予防という観点では他の方法に比べて効果は低いと言えます。

テレワークは選択する形によって様々なメリットがあります。テレワークの推進によってペーパーレスも同時に実現可能であったり、ライフワークバランスが整うことで優秀な人材の流出を防げたりと多くのメリットを享受できます。

導入を検討される場合は是非、TOMAにご相談ください。
>>初回無料の相談はこちら
3つのテレワークの形態

テレワークに必要なもの、失敗しない導入のやり方は?

では、どのようにすればテレワークを自社に取り入れることができるのでしょうか?前述もしましたが、テレワークはメリットもありますがデメリットも存在します。そのためあまり深く考えずに「とりあえずやってみよう」と導入するのはオススメしません。

あらかじめ推進メンバーを決めて、導入プロセスに沿って策定し、課題を一つずつ解決することが望ましいです。導入プロセスは大きく分けて5つのステップがあります。

ステップ1.基本方針の策定

「長時間労働を改善したい」
「結婚、出産、介護などライフイベントを理由とした離職者を減らしたい」
「新型コロナウイルス感染症の感染リスクを抑えたい」

なぜ自社にテレワークを導入するのか?まずは、目的を明確にすることが大切です。目的が不明瞭だと、その後に策定する規定やツールの選択ができません。

例えば、スーパーに夕飯の食材を買いに行く際、作る料理(目的)を決めて食材を購入するのではないでしょうか。とりあえず肉と野菜を購入して、家に帰ってから「さて何を作ろう」と考えては、あの食材が足りない、調味料がないなど、うまくいきません。

ステップ2.ルールの策定

目的が定まったら、目的を達成するためのルールを策定します。ルールの策定については労務と人事、両面で策定することが必要です。

●労務管理
厚生労働省が公表する「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」に沿ってルールを策定するのがオススメです。

検討事項は、主に以下の内容になります。
・対象者(育児?介護?部署単位?全社員対象?)
・就業場所の範囲(自宅?モバイルワーク?サテライトオフィス?)
・労働時間制・労働時間管理(勤務時間は?残業の考え方は?)
・服務規律(自宅でもスーツ?)
・賃金・費用負担(通勤手当は?自宅作業の場合、光熱費は?)
・安全衛生(災害時、連絡手段はどうするか?)
テレワークにおける労務管理

導入を検討される場合は是非、TOMAにご相談ください。
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●人事管理
テレワークでは、従業員の勤務態度が判断つかめないため、「成果」に応じた評価制度の構築が重要です。また、従業員のテレワークでの勤務状況を可能な限り把握できる施策も大切です。

・成果を軸とした評価方法
(業務の過程は見えないため、成果を重視した評価に)
・定期的なコミュニケーションの実施
(上長との面談を定期的に実施し、勤務状況の把握に務める)
・制度の定着支援
(制度を定着させる事前研修、効率的なICTの選択、導入後のヒアリング調査)
・社内SNSの活用
(社員だけが利用できるSNSなど連絡手段を用意する)
テレワークにおける人事管理

ステップ3.ツールの選定

ルールが定まったら次はそれを具現化するツールの選定に入ります。テレワークの目的、事業内容、規模などによって選定するシステムは異なります。

導入の際に活用できるICTツールには以下のものがあります。

●勤怠管理システム
労働時間や残業時間の自動集計、有給日数等に関する自動通知。
●人事評価システム
人事評価結果の自動集計、管理。
●モチベーション管理システム
従業員のモチベーション管理、従業員アンケートの実施。
●ビジネスチャット
社員とのコミュニケーション、他者の状況把握。

ステップ4.事前研修の実施

「突然ですが、明日からテレワークを始めます!」といきなり言われて社員は対応できるでしょうか?1日も早く導入したい気持ちはわかりますが、導入の際には社員に対する周知や研修が大切です。

●ルールの周知
テレワークをいつから、どの範囲で行うのか、規程の周知を行います。また、テレワークでの人事評価制度のあり方や情報管理セキュリティ教育も大切です。

●ツールの操作方法説明
導入する各種ツールの説明・研修、問い合わせ窓口の設置。

●各種研修
労働時間管理研修。
ハラスメント研修。
マネジメント研修。
評価・フィードバック研修。

ステップ5.運用開始(定期的な評価見直し)

運用開始後はテレワークがうまく機能しているかを注視する必要があります。特に、定めたルールが守られているか、各種研修の継続的な実施は大切です。もちろん、机上で考えたルールが、100%フィットする可能性は高くありません。

管理者が現状を客観的に把握し、従業員からのヒアリングを行いながらブラッシュアップをしましょう。
テレワークの導入手順

関連記事(参考ページ)
日本テレワーク協会
https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/
テレワーク歴史
https://tunag.jp/ja/contents/hr-column/13517/#toc-index-2

テレワーク導入事例

TOMAコンサルタンツグループの働き方改革・テレワーク導入事例を動画にまとめました。
こちらも併せてご参考にしてください。

テレワークの導入にお困りの際はTOMAにご相談ください

いかがでしたか。テレワークの導入は安易に導入してもうまく行かない、豊富な経験と専門知識が不可欠であることがご理解いただけたと思います。

TOMAでは2018(平成30)年からリモートワークを導入し、これまで多くの企業のテレワーク導入の支援を行っています。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。