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一般社団法人の社員とは何か

記事作成日2019/10/02 最終更新日2023/03/30

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一般社団法人でいう「社員」とは、私達が会社員の方に対して使う「従業員」とは、立場も役割もまったく異なります。
「そもそも社員とはどういうものか?」「社員の役割や資格はどのようなものがあるか?」
「株主総会の株主との違いは?」「設立時社員とは?役割や責任は?」など気になる点について、わかりやすく解説していきます。

社員とは

一般社団法人の「社員」とは、一般社団法人の構成員のことで、社員総会において議案を提出したり、その議決に参加し、議決権を行使する者・議決権を持っている者を指します。 株式会社でいう「株主」に似た立場になります。

また、社員総会とは、一般社団法人の重要事項(定款の変更や社員の退会等)を決定する最重要機関です。株式会社でいう株主総会と概ね同じ役割をもっています。

社員の役割と資格について

1)社員の役割

一般社団法人の社員は、一般社団法人の最高意思決定機関である「社員総会」の議決権を持ちます。社員総会を通じて、一般社団法人の運営に関与することになります。

従って、社員総会は一般社団法人の重要事項を決定する最重要機関となります。その議決権を持つ「社員」というのは、一般社団法人のオーナー的立場といっても過言ではないのです。

2)社員の資格

一般社団法人では、社員の資格を得るために必要な条件や手続、社員を抜けるための条件や手続、また社員の資格を喪失するなどを定めます。

また、法人運営に係る経費負担などの社員の義務を定款で規定することもできます。尚、社員になれる条件に関する事項は、必ず定款に明記しなければなりません。

株主総会の株主と一般社団法人の社員との違い

株式会社を設立する際の発起人は1人以上ですが、一般社団法人の設立時社員は2人以上必要です。

また、株式会社は出資額によって発言力が変わるのに対して、一般社団法人の「社員」は「社員」1人(1社)につき議決権は1個となり、主な重要事項が「社員」の多数決で決まることになります。(ただし、定款で定めることで、特定の社員に対して複数議決権や議決権を持たせないこともできることになっています。)

最後の大きく異なるもうひとつのポイントは、一般社団法人では「社員」に利益分配をすることはできないことです。そもそも、一般社団法人は営利目的ではないため、株式会社の株主配当に当たるものが存在しないからです。

一般社団法人の設立時社員とは

一般社団法人の「設立時社員」とは、一般社団法人の設立者(発起人)のことを言います。

設立時社員の人数は、必ず2名以上必要となります。なお、社員は法人がなることもできますので、法人の意思が一般社団法人に活かされることで、より多岐に渡った事業活動ができます。また、作成した定款には、設立時社員の住所、氏名を明記することになっています。

設立時社員の役割と責任

設立時社員の主な役割は、定款の作成、理事や監事の選任、所在地の決定などです。
そして、設立時社員は、法人を設立するためにいくつかの責任を負う場合があります。

1)任務懈怠に基づく損害賠償責任

一般社団法人を設立するにあたり、その任務を怠った場合は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。

2)第三者に対する損害賠償責任

設立時社員がその職務を行うについて、悪意又は重大な過失があった場合、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負います。

3)法人不成立の場合の責任

一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は連帯して、設立に関してした行為について、その責任を負い、設立に関して支出した費用を負担します。

年々、法人数が増え続けている一般社団法人ですが、運営などでのトラブルや悪用パターンなども多く見受けられます。
それを避けるためにも、設立時の定款と事業計画をきちんと決める必要があります。

TOMAグループでは、スムーズな運営のための一般社団法人設立コンサルティングも行っております。お客様のそれぞれのニーズを細かく伺い、よりよい一般社団法人事業を行っていただくために、よりよいアドバイスをさせていただきます。ご興味のある方は是非、お気軽にご相談ください。

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