[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
【はじめに】
今回は、返品権付きの商品販売についてお話します。
【事例】
プラモデルの製作を行う会社(A社)は、商品を小売店へ販売する。小売店は購入後180日以内であれば、商品を返品できることとなっている。A社が予想される返品率については、非常に高い精度で見積もっており、この返品率を上回る返品による収益減少が発生しないと認識している。
・ 売上高 100
・ 予想される返品率 10%
・ 当該商品の利益率 20%
【国際財務報告基準(IFRS)による仕訳】
(借)売掛金 100 (貸)売上 90
(貸)返金負債 10
(借)売上原価 72 (貸)商品 80
(借)返品権 8
【上記仕訳の解説】
国際財務報告基準による収益の認識(売上の計上)については、認識した収益の累計額について重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、収益として含める旨を定めています(IFRS第15号 Revenue from Contracts with Customers 第56項)。このため、返金を見込んでいる場合には、その金額を返金負債としなければならないとしています(同55項)。
日本では売上を100円として、返品が予想される金額を返品調整引当金として処理する慣行があります。しかし、国際財務報告基準では、売上の金額に変動する要素があれば、その金額を期待値や最も可能性の高い金額で適切に見積る必要があるとしています(同基準50項、53項)。このため、不確実性のある売上金額については、売上の計上が認められず、差額を負債として計上することとなります。
また、売上に対応する原価についても同様の考え方をとっており、返品に応じることが想定される場合は、商品の変換請求権として資産に返品権を示す金額を計上することとなります。
なお、返品率の変動は毎期見直す必要があります(同基準59項)。
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