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貸倒引当金 日本と国際財務報告基準(IFRS)との違い その2 Allowance for doubtful accounts (Differences between Japanese GAAP and IFRS) Part 2

記事作成日2016/05/26 最終更新日2017/01/27

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【はじめに】

前回につづき、貸倒引当金についてお話をします。

 

【日本の会計基準は金融機関の融資先の評価方法をベースにしている】

前回記載のとおり、日本の会計基準では債権を3区分に分類して貸倒引当金を計上しています。

余談となりますが、この方法の背景として、金融庁が各金融機関を検査する際に使われる「金融検査マニュアル」に記載されている自己査定の方法をベースとしています。

金融検査マニュアルにおいては、債務者をまず正常先・要注意先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先の5段階に区分することとしています(債務者区分)。そして当該債務者区分と担保保全の状態に応じてⅠ分類(非分類)・Ⅱ分類・Ⅲ分類・Ⅳ分類の4段階に債権を分類し、貸倒引当の方法について検査のためのガイドラインを示しています(金融商品会計の実務指針295項参照)

ただし、一般の事業会社にまで金融機関のような評価方法を求めるのは酷であるということで3区分の分類としています。 繰延税金資産の回収可能性でも区分の話しをしましたが、日本の会計基準では区分を設けて画一的な処理を求めるケースが見られます。

 

【国際財務報告基準IFRSの考え方】

国際財務報告基準では、債権の評価について得意先ごとに減損(Impairment)会計のルールに基づいて処理をするように求めています。日本のように引当金を計上することを想定していません。

減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態であり、減損処理とは、そのような場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理をいいます(固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書 基本的な考え方 三を参照)。

資産の評価減を行う場合は、すべて減損処理をするというのが国際財務報告基準の考え方です。

 

【続きは次回で】

日本の貸倒引当金計上の方法の背景や国際財務報告基準の扱いについては、次回に記載します。

 

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