[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
【はじめに】
今回から数回わたり自己株式についてお話をします。今回は会社が自己株式を取得する理由について記載をします。
【上場会社における自己株式取得理由】
上場会社は大量の株式を発行しているため、一般の投資家はもっぱら経済的利益を享受するために株式を購入していると思われます。
一般投資家が株式から利益を得るには、高い価格で売りぬく場合と、配当金を得る場合があります。
この場合、現在の株価より高い価格で会社が株を買い取るとしましょう。そうした場合は、一般投資家からみると市場価額より高い値段で売却できますので、経済的利益を享受できます。
また、既存株主も1株あたりの利益が上昇したり、ROE(株主資本利益率)が上昇しますので、より価値のある株式を保有することとなります。株式は会社が生み出す利益の還元を受けることが出来る権利ですから、自己株式の取得がおこなわれることにより株式数が減少すれば、1株あたりの分け前は多くなるのです。
会社からみると、市場価額より割高な金額で自己株式を買い取ることによって、最も会社の事情を知っている会社自身より、一般投資家に対してうちの会社はもっと儲かるぞというアピールをしているともいえます。言い換えると、会社は株式市場で形成されている市場価額が割安だと判断しているといえます。
さらに、自己株式を買い取ることによって株価を上げて、他企業からのTOB(買収)を防ぐ目的もあるといわれています。
【非上場会社における自己株式取得理由】
非上場会社においては、株主は、株式を転売して利益を得る目的で株式を保有することよりも、その会社の支配権を得るために株式を保有している要素が強いと思われます。また、親から子へ事業を承継する場合、株式に対しての贈与税や相続税の軽減もあわせて考える必要があります。
このため、複数の株主がいるが、このうち一部の株主より株式を手放したい、また、会社を支配している株主の希望で他の株主の株式を取得したい場合は、会社自身が当該株式を購入することが考えられます。
実は支配権を有している株主自身が買い取ることも出来ますが、購入資金が必要なのに加え、購入価格が割安の場合は贈与税が課税されるケースがあるため、会社自身に買い取らせるケースが多く見られます。
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