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租税条約とは

記事作成日2015/06/22 最終更新日2021/06/07

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【はじめに】

今回は租税条約についてお話します。(注:本記事の情報は執筆時点のものとなります)

【租税条約とは】

筆者のことばで説明すると、租税条約とは2カ国間で締結される税金に関する取り決めをいいます。租税条約を意識しなければならないのは、日本国の税法と租税条約で異なる取り決めをしている場合に、租税条約での取り決めが優先することとなるためです。このため、税金について検討する場合は、租税条約の取り決めを確認する必要があります。

【租税条約締結の目的】

租税条約を締結する目的は下記の2つにあります。

二重課税の回避

現在会計基準(=決算書の作成及び開示方法を定めたルール)はどの国でも同じようなルールになりつつありますが、税法(=税金計算を定めたルール)は各国でマチマチなのが実情です。

各国で税法のルールが異なるということは、同一の経済事象によって生じた所得(=もうけ)について、2カ国でそれぞれ課税するという事態もでてきます。そうなりますと、経済活動の妨げとなり、国際的な事業活動が促進されないこととなります。

このため、2カ国間で出来る限り二重課税を回避するために租税条約を締結しているのです。

お客様の中には租税条約によって課税が強化されるとおもわれている方もいらっしゃいますが、上記の目的のとおり、課税が強化されることはありません。

脱税及び租税回避等への対応

現在多くの企業や個人が海外で活動しています。このため、各国の税務当局の視点から考えると、海外で生じた所得について税金徴収を見逃してしまう可能性があるのです。

税務当局としては、しっかり税金を徴収するのが仕事ですので、租税条約を締結し、2カ国間の連携を蜜にすることで、各国での課税を確実にしようとしています。

【海外進出を検討されている方々へ】

海外進出を検討するにあたっては、進出先と進出元となる国が租税条約を締結しているかどうかも判断材料の一つになります。たとえば、日本とミャンマーは租税条約を締結していませんし、シンガポールとアメリカも租税条約を締結していません。

租税条約を締結していないと、両国で課税されるケースが多く出てきますので、実務上なにかと面倒だと思います。この点は意識をされたほうがいいと思います。

また、租税条約の締結数は増加傾向にあります。いいかえれば各国の税務当局の情報交換が昔にくらべて進んできています。このため、このぐらいはバレないだろうから隠しておこうという考えは通用しなくなってきています。

【参考文献】

海外勤務者の税務と社会保険・給与Q&A 藤井恵著

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