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特別損益項目の開示 日本と国際財務報告基準(IFRS)との違い その1 Extraordinary items (Differences between Japanese GAAP and IFRS) Part 1

記事作成日2016/05/31 最終更新日2017/01/27

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[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]

【はじめに】

今回は、損益計算書の特別損益項目について、日本と国際財務報告基準の違いをお話します。

 

【日本では特別損益項目を開示】

日本では、固定資産の売却益や減損損失など、その発生原因が経常的でないこと、もしくは、発生原因が正常ではない収益及び費用については、損益計算書で特別利益、特別損失として開示をしなければなりません(企業会計原則第二 損益計算書原則の六、同注解12、連結財務諸表規則第62条、第63条)。

日本の損益計算書をみると、営業利益、経常利益、当期純利益など、各区分の利益が明示され、決算書分析に資するように開示されています。これを支えるため、上場企業では決算書の開示について、連結財務諸表規則・個別財務諸表規則により開示の方法が細かく規定されています。

一般的に、営業利益はその企業の本業から生じた利益、経常利益は本業から稼いだ利益のみならず利息など営業活動以外の収益・費用を加味した利益、当期純利益は特別損益や法人税も加味した利益、として説明されているでしょう。

日本では、経常利益が注目される傾向があるため、経常利益を大きく見せたい場合は、費用をなんとかして特別損失にしようとする傾向があります。

 

【国際財務報告基準では特別損益項目を開示しない】

では、国際財務報告基準ではどうでしょうか。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、特別損益項目は開示されません。

国際財務報告基準では以下のように記載されています(国際財務報告基準第1号第87項)。

An entity shall not present any items of income or expense as extraordinary items, in the statement of comprehensive income or the separate statement of comprehensive income (if presented), or in the notes.

“Shall not”とありますので、記載してはならない、ということです。日本は特別損益を開示するように求めているのと全く逆の扱いになっています。

 

 

【次回に続きます】

なぜ日本と国際財務報告基準で異なる扱いをしているのかなどは次回のブログでご説明いたします。

 

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