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海外赴任者の一時帰国の長期化に伴う所得税の課税上の問題点〈コロナ対応〉

記事作成日2021/04/20 最終更新日2022/07/06

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この記事のPOINT

(1)海外赴任者の給与の一部を日本で負担している場合は注意が必要です
(2)短期滞在者免税について解説します

海外赴任者の給与の一部を日本で負担している場合

【海外現地法人に出向させていた従業員を世界的なコロナウイルスの拡大に伴い、一時帰国させ、日本国内で海外現地法人又は日本法人の業務をさせていた場合】

非居住者が日本国内において行う勤務に基因する給与と考えられるため、国内源泉所得として所得税の課税対象となります。

【上記において当該従業員の給与の一部を留守宅手当や較差補填金として日本側で一部負担している場合】

当該従業員の日本での滞在日数に関わらず、この一時帰国している期間に対応する日本負担部分については、短期滞在者免税(次項参照)の適用はなく、その給与の支払の際に日本側で20.42%の源泉徴収が必要になります(源泉分離課税で完結し、還付などの手続きはできません)。

短期滞在者免税とは

日本で所得税が課税対象となる場合であっても、その給与所得者である従業員の居住地国と日本との間に租税条約等があり、非居住者である当該従業員が、その租税条約等において定める下記の3つの要件を満たす場合には、所定の手続きを行うことで日本において所得税が免税となります(短期滞在者免税)。

(1). 滞在期間が課税年度又は継続する12ヵ月を通じて合計183日を超えないこと。
(2). 報酬を支払う雇用者等は、勤務が行われた締約国の居住者でないこと。
(3). 給与等の報酬が、役務提供地にある雇用者の支店その他の恒久的施設によって負担されないこと。

また、この租税条約の規定は各国の要件が微妙に異なりますので、具体的な判断については各国との租税条約をご確認ください。

なお、今回のケースについては役務提供地である日本において支払及び負担をしている場合には(2)(3)の要件を満たさないため所得税が課税されます。

海外赴任者の取扱いについての不明点がありましたらご相談ください。
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