[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
【はじめに】
今回は、海外出向者(日本では非居住者(※)とされる方を想定)の給与課税について日本の所得税法に基づいて記載をします。
(※)日本の所得税法による非居住者とは、居住者以外の個人をいいます。なお、居住者とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいいます。
【給与に対する課税の考え方】
給与や賃金等については、これらの基因となった人的役務の提供行為が日本で行われた場合、日本の所得税法に基づいて課税されます。
例えば、海外出向者が日本に一時帰国して日本本社で働いた場合、たとえ海外出向中でも日本で働いた以上、その期間の給与は日本で課税されるというのが原則です。
通常、海外出向者は海外で働くことを前提としており、たとえ日本へ一時帰国したとしても数日の滞在にとどまると思われますので、海外勤務地での納税のみというケースが多いのではないでしょうか。なお、税務当局から日本勤務中における給与金額について源泉徴収をしなさいと指摘してくるリスクはあります。
【日本と海外との勤務を兼務している場合】
日本法人の業務と海外子会社の業務を兼務している方も見かけます。例えば、日本法人で執行役員として勤務する一方海外子会社でも勤務し、頻繁に移動をして両業務を兼務する場合です。
このようなケースは、上記の給与課税の基本的な考え方に基づき、日本の非居住者であっても、日本法人で勤務した期間にかかる給与については日本で課税されることになります。
日本法人に勤務することによる給与と海外子会社に勤務することによって得られる給与が区分されている場合は、日本法人に勤務することによる給与に対して課税され、源泉徴収によって納税が完結します。
また、給与が区分されていない場合は、給与又は報酬の税額に給与計算の基礎となった期間のうち日本で勤務した期間の割合を乗じた金額が日本での課税対象となります(所得税法基本通達第161-41)。たとえば、年間360日のうち、日本での勤務日数が60日、海外での勤務日数が300日である場合は、360分の60の割合に相当する金額が日本での給与金額となります。
複雑なケースに該当し、他にも検討すべき事項(例えば、そもそも日本の非居住者として判定してよいのか?)が含まれている場合があります。詳細はTOMA税理士法人までお問い合わせください。
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