今回は、海外進出した企業が使う会計ソフトについてご説明します。
日本企業が海外進出をして、自ら記帳を行う場合どの会計ソフトを使ったらよいかという質問を受けることがあります。日本では弥生会計やPCAなど各種会計ソフトメーカーがしのぎを削っており、使いやすい会計ソフトが流通しています。
しかし、シンガポールを例に取ると、ちょっと複雑な事情が生じてしまいます。
機能通貨(どの通貨で帳簿を作成するか?)の問題
シンガポールの会計基準では、たとえシンガポール法人であっても、主要な得意先とUSドルで取引をしている場合などは、USドルでの記帳を求められるケースがあります。その場合、売上はUSドル、人件費の支払いや家賃の支払いはシンガポールドル、場合によっては日本円で決済など、複数の通貨が絡んでくることになります。
このようなケースにおいて、日本の会計ソフトでは入力が煩雑になる傾向があります。
なお、シンガポールドルのみ、もしくは日本円で記帳すればよい場合、日本の会計ソフトを使って記帳することも可能なため、日本の会計ソフトで記帳されている実例もあります。機能通貨という概念については、下記のブログをご覧ください。
GST(シンガポールにおける消費税)の申告について
シンガポールにおいては、GST登録業者の場合、3ヶ月に一回GSTの申告をする必要があります。
GST申告をするには、会計ソフトからGST情報をアウトプットできる必要がありますので、シンガポールで普及している会計ソフトを用いたほうが便利です。私見ですが、その地域で普及している会計ソフトを使うのが無難だと思います。