[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
【はじめに】
今回は日本の交際費についてお話をします。
【日本における交際費等とは】
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。
わかりやすく説明しますと、接待費用に相当する費用だと考えてください。
交際費等については、会社が交際費などの勘定科目で処理したかどうかは問わず、その法人に利害のある人に対して、接待や贈答等の性質をもつ行為を全て含むとしていますので、広く解釈される傾向があります。
【どこまで損金算入できるか?】
交際費等の額は、原則として、その全額が損金不算入とされていますが、税制改正により、平成26年4月1日以後開始する事業年度から、交際費等のうち接待飲食費の額の50/100に相当する金額は、損金に算入されるとしています。
なお、接待飲食費とは、交際費等のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く)をいいます。
また、そもそも1人当たり5,000円以下の飲食費で書類の保存要件を満たしているものについては、交際費等に該当しないこととされています。
損金不算入金額(税金がかかる費用)の計算については、下記の通りになります。
損金不算入金額=支出交際費の額-接待飲食費×50/100
なお、資本金1億円以下の法人(大法人の子会社等を除きます)は、上記の式に加え、
損金不算入金額=支出交際費の額-800万円(事業年度が12ヶ月の場合)
の有利な方を選択することができます。
【日本の法人税法上の交際費の考え方】
法人が支出する交際費は、その法人の販売促進等のために支出する費用であるので、使途が明らかである限り、企業会計上は費用となりますし、税務上も損金として認めてもいいように思われます。
しかし、法人が支出する交際費は、巨額になる傾向があり、その冗費性(無駄な支出となってしまうという意味です)に問題があるとして、支出を抑制するために、一定の制限をしてきました。
ただし、近年の税制改正では、一人あたり5,000円以下の飲食費について、一定の条件の下に損金算入を認めたりするなど、支出の抑制という側面が薄れてきています。
税務当局のスタンスに変更があったため、交際費等の制度についても複雑になってきています。
日本の実務においては、経費精算をする従業員から経理処理をする従業員まで気をつけないといけない費用となっています。
わからない点があれば、弊社グループの税理士などにお問い合わせください。
【次回】
シンガポールの交際費の扱いについてご説明します。
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