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ホームリーブ(Home Leave)に対する所得税の課税。日本とシンガポールの扱い

記事作成日2017/06/26 最終更新日2017/06/26

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[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]

【はじめに】

複数年勤務することが想定されている駐在員が、1年に一度母国へ帰国する際の交通費を会社が負担する、いわゆるホームリーブ(Home Leave Passage)に関する駐在員への所得税の課税について、日本とシンガポールの税制を比較しながら説明します。

 

【日本の所得税法では?】

例えば、シンガポール人が日本法人に勤務している場合を想定します。この場合、日本の居住者に該当するので、日本法人に勤務することによって得られる給与所得に対して課税されます。

日本の所得税法では、原則、ホームリーブに関する費用については課税されます。

しかし、下記の要件を満たすと、非課税でよいとの決まりがあります。

・長期間滞在している駐在員およびその家族で

・就業規則等で相当の勤務期間(おおむね1年以上の期間)を経過するごとに休暇のための帰国を認める旨の記載があり

・経済的合理的な交通費金額である。

詳細は、下記の国税庁のウェブサイトをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/gensen/750116/01.htm

 

 

【シンガポールの所得税法では?】

例えば、日本人がシンガポール法人に勤務している場合を想定します。日本人はシンガポールの居住者に該当しますので、シンガポール法人に勤務することによって得られる給与所得に対して課税されます。

2017年1月以降のシンガポールの所得税法では、ホームリーブに関する費用については全額課税されます。

以前は年間で1回目の費用については、その費用の20%のみ課税する旨のルールがありましたが、税制改正により全額課税へ変更となりました。

なお、出張目的の費用や赴任するための費用はホームリーブに該当しません。

詳細は、下記の国税庁のウェブサイトをご覧ください。

https://www.iras.gov.sg/IRASHome/Businesses/Employers/Tax-Treatment-of-Employee-Remuneration/Air-Passage/

 

【Q&A】

(Q1)

私は日本法人に勤務するブラジル人です。日本からアメリカ経由でブラジルへ一時帰国しましたが、アメリカからブラジルへ向かう飛行機が大幅に遅れてしまい、アメリカで急遽1泊することとなりました。日本法人は宿泊費を負担してくれましたが、日本での所得税申告の際に宿泊費は課税されるのでしょうか?

(A1)

課税されません。

航空機等の乗継地においてやむを得ない事情で宿泊した場合の宿泊料については課税されません。

 

 

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