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シンガポール法人設立、取締役・会社秘書役・会計監査人の選任が必要【TOMAシンガポール支店 日本公認会計士駐在の税務会計事務所】

記事作成日2017/03/10 最終更新日2017/03/10

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[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]

【はじめに】

今回はシンガポールで会社を作る際に設置が求められる、取締役・会社秘書役・会計監査人について説明をします。なお、ここではシンガポール現地法人の設立を想定しています。駐在員事務所や支店の設置の場合は別の取扱いとなります。この点ご注意ください。

 

【取締役(Director)】

日本と同様、取締役を選任する必要があります。最低一人必要です。なお、18歳未満の方は就任できません。取締役の人数に上限はありません。

なお、取締役のうち1人はシンガポールに居住している方を取締役(居住取締役)として選任をする必要があります。

居住取締役は、シンガポール人のほか、外国人でもシンガポール永住権をもっていたり就労ビザを保有している方であれば、通常、居住取締役として認められます。

日本法人や日本のお住まいの方が、シンガポール法人の設立を申請する際、シンガポールの会計事務所の方などに居住取締役就任を依頼していったん会社を設立するケースを多く見かけます。

※日本の代表取締役に相当する、CEOやManaging Director については、シンガポールでは選任が強制されていません。詳細は次回ご説明します。

 

 

【会社秘書役(Secretary)】

シンガポール法人は、会社設立後6ヶ月以内に会社秘書役を選任しなければなりません。会社秘書役はシンガポールに居住している人である必要があり、また、取締役が1名の場合は、当該取締役が会社秘書役を兼ねることができません。

会社秘書役とは、シンガポールの法令に従って会社を運営するように心がけたり、必要な議事録を作成したり、登記局とやり取りをする方を指します。日本でいうならば、総務部長の役割に類似しています。

日本では、会社秘書役を就任させる義務はありませんが、シンガポールでは、会社秘書役を就任させる必要があります。シンガポールで選任される会社秘書役はシンガポールの会社法で権限や義務が規定されていますので、取締役と同様に対外的に責任をともなう職務であることに留意が必要です。

シンガポール法人が上場会社でない場合、会社秘書役に求められる資格等はありません。しかし、実務上は経験がある方が就任したほうがよいので、秘書役業務をおこなっている法律事務所や会計事務所の方に就任をお願いしているケースが多いです。

 

【会計監査人(Auditor)】

シンガポール法人は、原則、会社設立から6ヶ月以内に会計監査人を選任しなければなりなせん。

なお、シンガポール法人が、会社法で定める小規模会社(Small company)の要件と満たした場合、会計監査人の選任が不要となります。

詳細は、下記のブログをご参照ください。

https://toma.co.jp/blog-toma-singapore/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E6%B3%95%E5%A4%89%E6%9B%B4%E3%81%AB%E4%BC%B4%E3%81%86%E7%9B%A3%E6%9F%BB%E5%85%8D%E9%99%A4%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E4%BC%9A%E7%A4%BE-2/

監査人は、シンガポールの会計士資格を保有している人又は法人でなければなりません。

シンガポール法人では日本と異なり、多くの会社に監査義務が課せられています。このため、日本では監査法人や公認会計士の監査を受けていなかった企業グループであっても、シンガポールでは監査が必要になるケースが多く見られます。

 

【実務上の留意点】

日本企業がシンガポールで現地法人を設立する場合、法律事務所や会計事務所へ払う報酬が高くなる傾向がある点に注意してください。

日本の非上場企業の場合、日本では税理士事務所への報酬の支払いだけで済んでいたケースが多かったかと思います。

しかし、シンガポールでは、税理士事務所への報酬+.会社秘書役に関する報酬+監査報酬が加わってきます。これは旧イギリス連邦の国では多く見られます。

この点は各国の法令で決まってしまっていることですので、どうしようもありません。あらかじめ法人維持コストに加えておくことをお薦めします。

仮にコスト削減するとしたら、会社秘書役の業務や会計帳簿の作成や税務申告を自製化するする方法が考えられます。しかし、本来、ビジネスの成功のために現地法人を設置するのですから、営業などにご自身でできる業務に力を入れたほうがビジネスの成功に近づくと思います。

【参考資料】

シンガポール会計登記局(ACRA)の説明

https://www.acra.gov.sg/components/wireframes/howToGuidesChapters.aspx?pageid=1241#1245

 

 

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