[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
【はじめに】
今回はシンガポール法人や支店を対象とする公認会計士もしくは監査法人による監査についてお話します。
【監査とは?監査義務のある会社とは?】
簡潔にご説明すると、公認会計士又は監査法人のよる監査とは決算書にお墨付きを与えることをいいます。言い換えますと、監査対象法人と利害関係のない会計の専門家が、決算書がおおむね正しいですよという報告をすることをいいます。
シンガポールでは決算日から6か月以内に監査を終了させ、株主総会を開催する必要があります。 監査義務のある会社の条件については、シンガポールの会社法で定められています。2015年7月1日より会社法が改正され、条件が変更となっています。過去の本ブログに記載しておりますので、是非チェックしてみてください。
【監査義務のある会社が監査を受けないとどうなるのか】 監査義務がある会社について監査を受けない場合、以下の弊害があります。
・監査が終わらないと定時株主総会が開催できない
・決算書の登記義務が果たせない(決算書とともに監査報告書も提出しなければなりません)
・法人税の税務申告もできない(申告書とともに監査報告書も提出しなければなりません)
監査人に協力すること、事前に問題点があれば監査人に相談して事前に問題点を解決させておくことがポイントです。
監査依頼者が、監査人から求められた資料の提出が遅れたりすると、監査報告書の提出が遅れます(監査人は、当初の期限をむかえても監査の作業が終わらない場合は、監査報告書を発行しないことがたびたびあります。これは日本もシンガポールも同じです)。
監査報告書の入手が遅れますと、株主総会の開催日が遅れるとともに、ACRA(シンガポール登記局)への提出も遅れますので、ACRAへお金を払って登記期限・株主総会開催日の期限の延長の手続き(最大2ヶ月まで)をしなければなりません。
シンガポールの法人登記は、決算書の数値まで登記されます(要件を満たした会社は監査報告書が公開されます)。また、期限どおり決算書等を提出できなかった場合は、その旨を示す印がつけられてしまいます。
シンガポールは、監査の本場であるイギリスの影響を受けています。日本とは異なるビジネス文化がありますので、この点留意して実務に取り組む必要があります。
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