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シンガポール出向者の人件費。日本法人とシンガポール法人での負担関係

記事作成日2015/02/16 最終更新日2021/02/12

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はじめに

今回は最近ご相談いただいた内容のうち、シンガポール出向者の人件費の処理についてご説明します。

 

よくあるご質問

シンガポール出向者が数名いるが、彼らの人件費の全額をシンガポール法人負担にさせたいが宜しいでしょうか?

 

答え:出向者の人件費の負担関係の基本的な考え方

海外勤務者はシンガポール法人に勤務しシンガポール法人の事業に100%従事しているならば、シンガポール法人で人件費全額を負担するのが基本的な考えです。これは法人税法上も企業会計上も違いはありません。

仮に日本法人から給料を支給したとしても、シンガポール法人へ給与相当額を請求してシンガポール法人に負担を求めることが通常です。

 

注意点:両国ともに法人税の損金算入否認リスクがある

なお、日本の法人税法では寄付金に対する課税の制度があり、シンガポール法人で負担すべきと判断された人件費を理由なく日本法人が負担している場合は、シンガポール法人へ経済的な利益の供与がされていると認定され課税されてしまう可能性があります(法人税法第37条第7項)。

また、シンガポール法人に人件費全額を負担させておきながら、実は海外駐在員が日本法人の事業の業務もおこなっている場合は、全くマネージメントフィーをもらっていない場合、シンガポール当局から損金算入を否認されるリスクがあります(Singapore Income Tax Act Section 14)。

人件費の負担については、両国で問題となりかねない事項であることから、海外勤務者の勤務実態に応じて負担割合を決める必要があります。

具体的な事案についてはご相談を

シンガポール出向者の人件費の処理については細かい論点等もありますので、税理士や公認会計士にお問い合わせいただくことをお薦めします。また、進出国の税務もありますので、日本と進出国の会計・税務両方を確認する必要があります。

 

(参考文献)

海外勤務者の税務と社会保険・給与Q&A 藤井恵著

シンガポール進出企業の実務ガイド SCSGlobal編著

 

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