シンガポール事情~No.3
第3回目の今回は、シンガポールでの会社の設立についてお話したいと思います。よくある質問について箇条書きでまとめてみました。ご参考にしていただけばと思います。
資本金
SGD1(1シンガポールドル)から設立可能です。こちらは、シンガポールで会社を設立する魅力の一つとなっております。他のアジア諸国では、最低資本金が高く、設立コストが高くなる国もあります。理由としては沢山の資金を自分の国にもってきて欲しいという国の考えからです。また、実際にはSGD1では何もできませんので投資額を含めて最初の資本金を検討するのが良いと思います。
株主
最低1名(法人でも個人でも大丈夫です。)また、外国資本だけでも設立できるのがシンガポールの魅力です。他国では現地資本を必ず入れなければいけない国もあります。
役員
居住者が最低1名必要となりますので、設立段階では事務代行会社の方に居住取締役となっていただき、その後赴任した時点で変更登記をするという手続きが多くみられます。こちらは手続きとして会社が設立されていないとVISAが取れないという実務的なスケジュールからも必要となってきます。
事務所
当然ながらシンガポールに事務所を構える必要があります。こちらは場所によりますが数十万円は毎月かかります。したがって、設立等の事務代行をお願いしている会社に一時的に本店を置かしてもらう会社も多いようです。
会社設立までの期間
3週間程度(ただし、書類がそろってから)。会社設立にかかる時間は国によって様々ですが、シンガポール行政はスピーディーな対応だと思います
VISA取得までの目安
1か月程度。
ただ、最近は許可が一段とおりにくくなっております。資本金が低すぎる(シンガポールへ資金が来ているか)、給料が低すぎる(個人所得税おさめているか)、日本人しか雇っていないが、日本人でないとできない仕事なのかどうか(シンガポール人ではできない仕事か)、など様々な質問が来ているようです。要するにシンガポールという国に貢献しているのかどうかを求められていると考えられます。現在設立するにあたり、最低シンガポール人を何人雇わないといけないという規制はありませんが、今後そのようになってくる可能性はありそうです。
会計・税務
原則、会計監査が日本と違い非上場会社でも必要となります。コストとして計算に入れておく必要があります。また、決算日から6か月以内に株主総会を開催し、決算書を株主総会から1か月以内にACRAというところに提出する必要があります。
税務申告については決算日後3か月以内に仮申告(見積課税所得の申告)を行い、翌年の11月末に本申告を行う必要があります。この会計・税務についてはあらためてお話をしたいと思います。
デメリット
最後にデメリットをお話ししたいと思います。
家賃や人件費の高騰によるコストアップ。駐在員コストが一人平均で2000万円程度、最低でも1500万円程度かかると言われています。シンガポールへ進出する企業はかなり多いですが、撤退する企業もかなりあります。十分ご検討してから進出されることをお勧めします。
次回は少し気が早いと思われるかもしれませんが、会社の清算についてお話したいと思います。設立時には最終出口の一つである清算した場合のことも考えておく必要がありますので。
※参考
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