今回はシンガポールでの減価償却についてお話したいと思います。
シンガポールでは、固定資産に対する投資は資本的支出であると考え、原則的にその減価償却費も資本取引として税務上の損金算入は認めていません。ただし、実際には事業を行うための支出も多いので、資産ごとに税務上の償却年数を定め、損金算入を認めています。
なお、車両については一部の貨物運搬用車を除いて税務上の損金算入を認めていません。
1. 器具備品
5,000ドル(約40万円)以下の少額資産については初年度全額償却(年間30,000ドルまで)、それ以外は3年均等償却となっています。これ以外に期間限定のPIC(第12回ブログに記載)という制度もあります。いずれか有利な制度を選択することとなります。
2. 建物
現在は一部の地区にある特定産業建物のみが対象となっており、それ以外の建物の減価償却は税務上の費用化の対象外です。
3. 建物構築物
シンガポールの税法上の建物付属設備の概念は、建物と一体となって動かせない電気設備、内装工事、ドア等を言います。こちらに区分されたものは3年均等償却となります。
4. 無形固定資産
基本的には5年均等償却となります。また、特許権や商標権など1)で説明したPICの対象となる資産もあるので合わせて検討が必要です。
このようにシンガポールでは原則として税務上、減価償却を認めないという厳しい部分もありますが、耐用年数については総じて日本よりも短くなっております。
また、PICについては大きい税制上のメリットが受けられるケースがございますので是非ご活用ください。
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