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シンガポール事情 第15回「シンガポールの監査について」

記事作成日2014/05/15 最終更新日2021/02/01

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今回はシンガポールでの法人の監査について、お話ししたいと思います。

シンガポールでは基本的に上場、非上場を問わず、すべての会社に法定監査が必要になるというのが大きな特徴です。理由としては、原則としてすべての会社に監査を要求することにより、一定のコンプライアンスレベルを確保し、申告制度や税務調査制度の品質を維持していると考えられます。

クリーンさと効率性を売りにするシンガポールならではという感じがします。日本では上場会社と非上場のうち一定規模の会社以外は原則監査が不要となっておりますので、大きな違いだと思います。

また、外国法人の支店の場合にも監査が必須とされています。

例外として、以下に該当する会社は監査が免除されます。

1)会社が私的免除会社※1(Exempt Private Company)に該当し、かつ年間の売上がSGD500万以下(約4億円!)の場合

2)会社が休眠会社の場合

※1 私的免除会社

株主が50人以下で株式譲渡に制限がある会社のうち、株主が個人で20名以下の会社となります。日本人の個人オーナーが個人出資でシンガポールに進出する際にはこちらに該当する場合が多くなります。

 

なお、監査の免除に関する規定については会社法の改正が検討されています。私的免除会社とは別に「Small Company」という概念が導入され、その条件を満たす場合には監査が免除となります。

「Small Company」の定義は以下の3つの条件のうち2つ以上に2年連続で当てはまる会社となります。

①年間の総収益(売上)がSGD1,000万以下

②総資産がSGD1,000万以下

③従業員が50人以下

こちらが導入されると監査免除となる会社が増加することが予想されます。

監査法人の仕事が減りそうですね(笑)

 

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