[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
【はじめに】
今回は2016年4月1日よりシンガポールにおいて導入された雇用契約を証する書面(Key employment terms)の作成についてお話をします。
【要件】
2016年4月1日以降、すべての雇用主は対象となる従業員に対して、雇用契約を証する書面を雇用開始後14日以内に提出しなければなりません。
・2016年4月1日以降採用の従業員
・シンガポール雇用法の適用対象の従業員
・14日以上雇用する従業員
という要件を満たした従業員に対して、雇用主は書面を提供する必要があります。
なお、電子媒体での提出も可能です。
【書面の記載内容】
記載する内容は下記の通りとなっています。なお、シンガポール行政側で定型フォームを作成しています。
1 Full name of employer.(雇用主の氏名)
2 Full name of employee.(従業員の氏名)
3 Job title, main duties and responsibilities.(肩書や職務内容)
4 Start date of employment. (雇用開始日)
5 Duration of employment (if employee is on fixed-term contract).(有期契約の場合は、契約の期間)
6 Working arrangements.(勤務条件)
7 Salary period. (給与計算期間)
8 Basic salary.(基本給)
9 Fixed allowances. (固定の手当金額)
10 Fixed deductions. (固定の控除金額)
11 Overtime payment period (if different from item 7 salary period).(残業手当の計算期間(7の給与計算期間と異なる場合))
12 Overtime rate of pay.(残業手当の金額)
13 Other salary-related components.(賞与やその他の給付について)
14 Type of leave.(各種有給制度について、日本と異なり病気による有給等細かく規定する)
15 Other medical benefits.(医療費補助など)
16 Probation period.(試用期間)
17 Notice period.(雇用契約の解除予告期間)
14番や15番は日本ではあまり見られない内容ですので、他社ではどうしているのかなど調査が必要になるのではないかと思います。
【就業規則について】
日本法人のシンガポール子会社の場合、日本の就業規則を調整して、シンガポール法人の就業規則とし、これを適用するというケースもあります。
雇用契約書の作成にあたり、細かい点は就業規則を適用するというやり方もありえるのですが、そもそもシンガポールの雇用慣行や手当の仕組みなどが異なっていますので、就業規則を作成する場合は、注意が必要ではないかと思われます。
なお、シンガポールでは法令上、雇用者に就業規則を定める義務はありません。
【シンガポール行政のウエブサイト】
詳細は下記のウエブサイトをご覧ください。
http://www.mom.gov.sg/employment-practices/contract-of-service#key-employment-terms
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