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シンガポールにおける地域統括会社の活用

記事作成日2014/11/28 最終更新日2021/02/09

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はじめに

シンガポールでお客様とお話していますと、地域統括会社に関心をもたれている方が多いと感じます。そこで今回は地域統括会社の概要についてご説明します。

なお、詳細は1月7日(水)開催のシンガポール地域統括会社の活用セミナーをご受講ください(終了いたしました)。シンガポールの会計事務所であるSCS Globalより中瀬和正氏(日本税理士・シンガポール税理士)をお招きし、弊社の税理士斉藤哲と共にお役立ち情報をご提供します。

 

地域統括会社って?

複数のアジア諸国の子会社の統括や調整および支援をおこなう会社をいいます。シンガポールにおける日系企業の主な地域統括会社の役割としては、営業・販売・マーケティングや財務金融・経営企画・人事労務管理となっています。これにより、日本法人のアジア諸国の子会社の統括機能を地域統括会社に移譲することとなります。

 

地域統括会社のメリットとは?

アジア諸国の出身であり、かつ英語対応が可能である人材の獲得が容易になったり、アジア諸国の子会社から距離が近いことから情報収集がしやすかったり管理の利便性が高いことがメリットとして考えられます。設置国によっては税制上の優遇も受けることができます。

私見では、将来の日本の経営者候補生を統括会社の任務につかせることにより、後継者教育も兼ねる事ができることもメリットとして感じます。

 

シンガポールに地域統括会社が多い理由

これも私見ですが、政治が安定しており政府が効率的で汚職が少ないこと、英語が公用語として使え提出書類も英語で済むこと、資金決済や資金送金が他国にくらべ自由であること、設立が容易であること、治安がよく駐在員及びその家族の安全も確保できること、車を保有する必要性が少ないこと、日本人弁護士や公認会計士等の専門家がそろっていることなどから、シンガポールに地域統括会社を置く企業が多いのではないかと考えています。

 

税務上のメリットは?

地域統括会社が日本法人と各海外子会社の中間に位置づけられている場合は、各海外子会社の株式売却時に売却益に課税されず、グループ再編や各地域からの撤退しやすいことが挙げられます。また、シンガポールは法人税率が低い上に、統括会社に対する税率軽減の制度(Regional Headquarters Award, International Headquarters Award)もあります。

 

注意点

地域統括会社設置時に、いわゆるタックスヘイブン税制や移転価格税制に抵触するかしないかの検討、地域統括会社の収益源の確保は気をつけなければなりません。

また、シンガポールに統括会社を設立することは日本法人で行っていた統括の仕事がなくなることを意味しますので、日本の従業員からの反発も考えられ、人事上の調整も必要になると思われます。

 

(出典)

税務通信3213号シンガポールの地域統括会社のQ&A

 

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