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経営理念は生きているか

記事作成日2024/09/10

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ここ数年で企業と人材を取り巻く環境が大きく変化しています。

次代の経営のあり方として「人的資本経営」へも注目が集まる今日、皆様の会社の経営理念は、今も従業員を動かす原動力となれているでしょうか?

今回は、理想的な経営理念の作り方や見直し方、さらに、クレドについても説明していきます。

なお、クレドに関しては以下のとおり無料の解説資料もご用意しています。クレドの作成にあたり、ぜひご活用ください。

企業の軸である経営理念は見直しても良い?

結論からいうと経営理念は「見直しても良い」ものであり、むしろ時代に合わせて前向きに「見直すべき」ものです。

経営理念は、創業者が作成時の社会情勢の中、トップダウンで考えたものが多く、時代の変化につれて共感しにくくなっている場合もあるでしょう。時代を捉える上でキーワードのひとつとなるのが、会社の大小を問わずこれからの経営のあり方として広く注目されている『人的資本経営』です。

ここ数年でコロナ禍やそれに対するリモートワークの普及等もあり、社会や従業員の意識に大きな変化がありました。そのため『人的資本経営』という考え方は、すべての会社にとって経営理念を見直すきっかけとなるでしょう。

“人的資本経営時代”に取り残されないために

“人材はコストではなく投資すべき資本”という、人材に対する価値観の抜本的な変革(図1)を求められる『人的資本経営』。人材(=人的資本)を会社の価値創造の主体とする経営手法がこれからの主流となる今こそ、「自社の経営理念は時代に即しているのか」「社員のモチベーションになっているか」を考え、より理想的な経営理念を目指して見直すタイミングといえます。

「理念の見直し」と言うとハードルが高く感じがちですが、考え方の肝となる部分はそのままに表現などを少し見直すことから検討してみてください。

図1 人材に関する変革の方向性

経営理念は人材を惹きつける鍵!

個人と会社がよりオープンに相互で選び合い、成長し合うような関係が築けるよう考えられた経営理念は、人材を会社に惹きつける求心力となり、そこで働くことの誇りや安心感にもつながります。最近では経営理念は求職者が会社の魅力を判断する基準になっており時代に合わせた見直しは人材戦略的にも重要です。

時代に合った経営理念を目指して

経営理念の見直しからフレーズ化までの3ステップ

Step1 理念と経営者の考えを照らす

会社の将来像や実現したいこと、そこに向けた想いなどを自分の言葉にして明確にし、経営理念と照らし合わせてみてください。内容や言葉遣いに違和感を感じたら見直しのサインです。

Step2 経営陣や社員に共有する

ステップ1で明確にした経営者の考えを、経営陣や社員に共有してみることも重要です。特に社員の意見は会社の現状や目標をより正確に把握させてくれる要素です。

Step3 時代を意識してフレーズ化

経営者自身の想い、ステップ2での意見をキーワードとして抽出。時代(人的資本経営などの視点)に合っているかを意識しながら、経営理念へと落とし込みましょう。

なお、Step3は会社の特色が出る言葉使いにすると更に良いものになります。読むだけで事業内容や魅力を伝えられる言葉を選ぶことで、求職者の目に留まり共感を得られます。

図2 経営理念やクレドとミッション・ビジョン・バリュー

自社の現状を正確に把握するには従業員の意識調査の活用も◎

社員が日々感じている満足や不満こそが、今の会社の等身大であり未来に向けての改革のヒントです。従業員の働きがいや会社への期待などを調査して見える化し、自社の現状を正確に把握しましょう。

「クレド」は社員と一緒につくるもの

続いて経営理念について考える際に外せない「クレド」について解説いたします。なお、クレドに関しては次のブログにて詳細に解説しています。併せてご覧ください。

・クレドが社員の意識を変える! 基本の「き」から徹底解説
・5分で理解!クレドの基本

社員の意識・行動の変化は、その先の発展のために

クレドとは、経営理念やビジョン、行動指針などの総称です。その効果は端的に“働きがいの向上”などと要約されがちですが、クレドは自社の一員として「こうあるべき」という方向性、価値観や信条を示すものです。そのため、社員の意識・行動の変化による社外評価の向上、その先の会社の繁栄にまで影響を与えます。

社員も巻き込み、みんなで作るのがクレド

クレドを社員と一緒につくるべき理由が、社員への浸透です。もし経営者や役員だけで作り、ある日突然配付されても社員に当事者意識は芽生えないでしょう。策定過程から社員を巻き込み「自分たちもクレドづくりに参加した」「この文章には 私たちの意見も含まれているんだ」という想いを社員にもってもらうことがクレド浸透へ大きくプラスに働きます。

プロジェクトの途中経過共有が社内浸透の鍵!

「いつの間にか出来上がっていた…」という状況は社員の当事者意識の欠如に繋がります。定期的な経過共有を全社に向けて行うことで、クレド決定後のスムーズな社内への浸透のポイントになります。

クレド作成に第三者を入れることの重要性

意外と自社ならではの良い部分は見えないものです。クレド作成を通して多くの会社の風土や考え方に触れている専門家が介在することで新しい気づきを得ることができます。また、社内の人員だけでは“照れ”が会社の未来や夢を熱く語ることを妨げてしまうことも。そこでも第三者に話すというスタンスが役立ちます。

以上から、第三者を入れることで次の3つの力をクレド作成に活用することが可能です。精度の高いクレドを作成するためにもぜひ第三者の活用を検討ください。

第三者が入ることで生まれる力

見つめ直すべき理念は“足元にあり”

経営理念について考える時に「同業他社はどんな理念なんだろう…」と調べることもあるかと思います。ですが、他社の理念にはヒントはあっても、自分たちが目指したいと心から思える理想はないはずです。

これから自分たちは何をベースに、会社としてどんな理想を目指すのか。その答えとなる見つめ直すべき理念は、自分たちが築いてきた足元にしかありません。そのことを意識して、自分たちだけの経営理念をカタチにしていきましょう。ここまで見直しの必要性や見直しのポイントを紹介してきましたが、これだけのことを経営者の方が一人でまとめるには限界があります。

TOMAは“経営者に一番近い第三者”として、数々の企業の経営理念の見直しや作成で培ったノウハウを元に、経営者様の想いを明文化するお手伝いをいたします。特に人的資本経営時代の理念とはどうあるべきか、とお悩みの方はぜひTOMAにお声がけください。

TOMAの経営コンサルティングサービスの詳細は以下よりご覧ください。

また、ご相談をご希望の方は以下、無料相談・お問い合せよりご連絡ください。