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新型コロナウイルスに感染した場合の労災保険給付の扱いについて

記事作成日2021/07/28 最終更新日2021/08/25

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Q:新型コロナウィルスに感染した場合、労災保険の給付対象となりますか?

A:業務に起因して感染したものであることが認められる場合には、労災保険給付の対象になります。

【解説】

1.労災保険給付の原則的な考え方

労災保険制度は、労働者が業務上の傷病等にかかった場合に、労働者災害補償保険法に基づき、療養補償給付(治療費に対する補償)や休業補償給付(休業中の賃金に対する補償)等を受給することができるものです。
また、労災保険給付を受給するためには、原則として次の2つの要件をいずれも満たしていることが必要です。
①仕事中に発生したけが、病気であるか(業務遂行性)
②仕事が原因で発生したけが、病気であるか(業務起因性)

2.新型コロナウイルスにおける労災保険給付の考え方

新型コロナウイルスおいては、労災保険給付の考え方について、厚生労働省の通達により、特例が適用されることが示されています。
当該特例では、新型コロナウイルスに感染した従業員が、労災保険給付の対象であるかを判断するにあたっては、当分の間、調査により感染経路が特定されなくても、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合には、これに該当する者として労災保険給付の対象とするとされています。

3.通達で示される具体的な取扱い

・医療従事者、介護従事者
業務外で感染したことが明らかである場合を除いて原則として労災保険給付の対象となる。
・医療従事者、介護従事者以外
〈感染経路が特定された場合〉
感染が業務によることが明らかである場合、労災保険給付の対象となる。
〈感染経路が特定されない場合〉
①複数の感染者が確認された労働環境下での業務に従事していた場合、労災保険給付の対象となる。
②顧客等との接近や接触の機会が多い労働環境下での業務に従事していた場合は、個々の事案に則して判断を行う。
③そのほか感染リスクが高いと考えられる労働環境下での業務に従事していた場合、個々の事案に則して判断を行う。

4.ワンポイントアドバイス

厚生労働省の資料によると、新型コロナウィルスに係る労災請求・決定件数は令和3年度に入り増加傾向にあり、令和3年5月時点での請求件数は、1万件を超え、そのうちの半数以上が、労災保険給付の適用対象として認定を受けています。

職場で感染者が発生した場合には、速やかに感染原因・感染経路を確認し、要件に該当する場合には、労災保険給付の対象となりますので、当該扱いにご留意ください。
なお、新型コロナウィルスに感染したことにより休業した場合は、「労働者死傷病報告書」の提出が必要になります。忘れずに、事業場の管轄労働基準監督署に提出しましょう。
〈届出期限〉
・休業が4日以上の場合 遅滞なく
・休業が4日未満の場合 次の期間ごとにまとめて報告

TOMAでは労災保険給付に関するお手続きや、その他の人事労務に関するお悩みについて、幅広くご相談を承っております。お困りの際には是非お問合せ下さい。

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